アスリートYouTuberが急増中! 女子ラグビー・青木蘭が動画で発信する理由

みなさん、こんにちは!B&matesの青木蘭(女子ラグビー)です。

今年は新型コロナの影響で、スポーツ界も大きな影響を受けました。そして競技ができない間に、SNSを通じて発信を行うアスリートが急増。もしかしたら、そろそろ発信しなきゃいけないと感じた人もいるのでは?

私も今年からYouTubeチャンネル「RUGIRL CHANNEL青木蘭」をスタートし、競技から日常に関する話題まで様々な動画を配信し始めました。先日チャンネル登録者が1100人を超えました!まだまだ手探りではありますが、私がYoutubeを始めた理由と、チャンネル開設から今までを振り返ってお話ししてみたいと思います。

■ 青木蘭
1996年生まれ、神奈川県茅ヶ崎市出身。3歳から競技を始め、石見智翠館高ではキャプテンとして全国大会2連覇。慶應義塾大学SFCでは同大学初の女子ラグビーチームを設立。現在は横河電機で働きながら横河武蔵野Artemi-Starsに所属し競技を行う。

「ラグビーを選んでくれた女の子たちに幸せになってほしい」

昨秋行われたラグビーワールドカップの開幕試合、日本代表対ロシア代表の一戦を、私はラグビーイベントのゲストとして観戦していました。違う国の歌を覚え、全力で歌う。互いの健闘を祈る。国籍関係なく、いいプレーの時は拍手を送る。そうして試合が終わった後、涙があふれたんです。そして、心から「ラグビーをしていて良かった」と感じました。けれど、これまで「辞めたい」と思ったことがないわけではありません。

私がラグビーと出会ったのは3歳の時。当時ラグビースクールのコーチをしていた父と、先にプレーしていた2人の兄の影響を受けて茅ケ崎ラグビースクールで競技を始めました。でも、最初からラグビーが好きだったわけではありません。

それは当時は男の子の中に混じってプレーしていたため、体力や体格、全てにおいて負けていたのがとても嫌だったから。そう、私は根っからの負けず嫌い。かけっこで負けるのが嫌、タックルされるのも嫌、試合で負けるのも嫌。そんな私が小学4年生の夏合宿で、負けを認めました。「男の子には勝てない。ラグビーがつまらない」。いつ辞めようかと悩む間に、小学6年生になっていました。

それでも辞めなかったのは、夏の合宿前に菅平のスポーツショップでスパイクを父に買ってもらったことがきっかけ。そのスパイクを履いて嫌々練習をしたら、今までかけっこでビリだった私が上位でゴール。それをみたコーチが私に「蘭、足速くなったな!」と言ってくれました。その瞬間から私は、ラグビーが大好きになったんです。そう、私はとても単純な性格。この時のことは今でも鮮明に覚えています。

男の子の中に混じってラグビーをすることが当たり前だった時代。世界には大きな選手が沢山いて、将来日本代表として活躍するために選んだ環境ではなかったし、ただ「ラグビーができる場所がここだった」だけ。もしあの時、コーチが私に声をかけてくれなかったら…大好きなラグビーを思いっきりできる環境を求め、親元を離れ島根・石見智翠館高校に進学することにもならなかっただろうし、私は今こうして発信していないはず。

自分と同じ境遇に合う選手を一人でも減らしたい。みんなそれぞれの夢を抱え、大好きなラグビーに向き合う時間を1秒でも長く作りたい。「ラグビーを選んでくれた女の子たちに幸せになってほしい」。これまでの経験から、そう強く思うんです。

幅広い人から「共感」を呼ぶチャンネルに

YouTubeを始めたのは新型コロナがきっかけ。試合観戦機会を失われた今だからこそ、ラグビーの魅力を多角的に発信したいと思い始めました。平日は仕事があるので、金曜日の夜から週末にかけて撮影と動画編集ソフトを使った編集作業、そして公開をしています。ただ、なかなか時間がとれないので公開が遅れることも。

YouTubeは幅広い年齢層が視聴してくれるというメリットがあります。なのでプレーを見せるだけでなく、選手として生活する日々の食事や睡眠、服装まで、さらには趣味を“ストーリー”として伝えることで「共感」を獲得したいと考えています。

そのため動画のネタは私生活から取り出してくることが多いですが、プライベートを出しすぎても良くないし、ネタ探しが難しいですね。周囲からは「もっと練習風景や家でのトレーニングが見たい!」と要望をいただいていますが、なかなか手が回っておらず、改めて動画編集の難しさを感じました。

最近では他競技の選手とコラボをした動画も配信。総合格闘家の杉山しずかさんと撮影をして、他競技にもチャレンジしました。

YouTubeでラグビーの魅力・実態を発信したい!

冒頭で話した通り、私はラグビーができる環境が増え、選択できるようになればいいなと思っています。その思いから、YouTubeでは世界に向けて日本の女子ラグビーの実態を表現できればいいなと思います。例えば日本の女子ラグビーチームの雰囲気や試合、練習の様子を英訳して更新したいと考えていますし、動画の説明文も日本語・英語を書くようにして、海外の方が見てもわかるように工夫しています。

YouTubeの具体的な活用方法はまだまだ探っている途中。ですが、誰が見てもポジティブな気持ちになれるような動画を作りたいと思っています。

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