「自分の身体は後回しにしないで」杉山愛が女子アスリートに伝えたいこと。【PR】
女性の健康をサポートすべく、オンラインピル診療サービスなどを展開するmederi株式会社。B&では、女性アスリートの抱える課題を解決するために、同社代表取締役の坂梨亜里咲(さかなし・ありさ)さんと女性アスリートとの特別対談企画を実施しています。
第3弾のゲストは、元プロテニスプレーヤーで、2022年よりテニス女子日本代表監督を務めている杉山愛(すぎやま・あい)さんです。34歳で引退後、度重なる不妊治療を乗り越えて出産しています。
現役時代は競技一筋でテニスと向き合い、引退後は限りある時間の中で女性としての人生と向き合ってきたからこそ、次世代の女子アスリートに伝えたい思いがあります。不妊治療中の気持ちや、若い選手の生理など、身体との向き合い方について伺いました。
引退後に選んだ、不妊治療という選択肢。
ー杉山さんは引退後にご出産されましたが、現役時代はどのようなライフプランを描かれていたのでしょうか?
結婚も出産もしたいと思っていました。しかし、テニスはシーズンが長く、1年のうちの10ヶ月くらいを海外で過ごします。現役生活を続けながら結婚や出産をすることは現実的ではないと思ったので、アスリートとしての人生を第一優先にしました。34歳まで、長く現役を続けられたことはアスリートとして幸せでしたね。でも、いざ引退して子どもが欲しいと思ったときに、あまり時間がないことを痛感しました。
それでも諦めず、引退してから不妊治療と向き合ってこられたんですよね。不妊治療はどのように始められたのでしょうか?
36歳で結婚したあと、すぐにでも子どもが欲しいと思い、身体の状態を把握するために婦人科を受診しました。検査をして問題ないと分かり、妊娠したのですが、流産してしまったんです。とてもショックだったことを覚えています。
そこからはなかなか妊娠に至らず……。原因はわからないけど妊娠できない、という状態が苦しかったですね。結果的には人工受精を4回、体外受精を1回行ない、ようやく第一子を授かることができました。
私も不妊治療を続けているので、気持ちがとてもよくわかります。それでも乗り越えられたのは、スポーツ選手として培ってきたメンタル面での強さもあったのかなと。
スポーツではどんな壁があっても動いていくうちに答えが近づいてきますが、不妊治療は正しいことをしていても結果がついてこないことが少なくありません。どこにもぶつけようのない悲しみがありました。
私の場合、年齢的なタイムリミットもあったので焦りがありました。最後の手段として選んだ体外受精が失敗したらどうしようと、逃げそうになったこともあります。失敗を重ねるたびに自信が削ぎ落とされていきました。
私は早期閉経により卵子の個数が少なく、不妊治療をしているんです。これまでさまざまな方法を試してきましたが、どれだけ行動しても改善されなかったこともありました。不妊の原因が明確でないからこそ、向き合いにくいですよね。
杉山さんはつらさとどのように向き合われたのでしょうか?
主人がよく理解したうえで、サポートしてくれたのが大きかったです。「愛の好きなようにすればいい、愛が挑戦するならサポートする」と。
「主人と二人でも十分楽しいし、もういいかな」と、自分を納得させようとしていたときに、最終的に体外受精への背中を押してくれたのは母親でした。母が「ダメだったらダメでいいじゃない。やってみて、無理なら二人で過ごしたらいい」と、ウジウジしていた私に声をかけてくれたんです。1年近く不妊治療を中断していたのですが、思いきって体外受精を決意しました。
パートナーとご家族のご理解とサポートが素敵ですね。そうやって、女性だけではなく二人で向き合っていけると心強いと感じました。不妊治療中、取り入れて良かったことはありますか?
鍼治療をしたときに、「足がすごく冷えている」と言われたんです。スポーツを続けるなかでずっと筋肉を使ってきたので、意外でした。治療していくと身体が芯まで温かくなっていって、今まで冷えていたんだと思い知らされましたね。身体が冷えていると血行不良になり、卵巣・子宮に栄養素が行き渡らず、女性ホルモンの分泌が悪くなります。妊娠しにくくなるので、冷え対策は大切です。
女子選手を指導するなら、知識を持っているべき
ナプキンとタンポンを使っていました。ナプキンだけでは不安でしたが、多汗だったので、ナプキンが汗を吸って気持ち悪かったんです。
生理痛とはどのように向き合われていたのでしょうか?
生理痛はあまりひどくなかったですが、痛いときは鎮痛剤を飲んで対応していました。
当時診ていただいていた先生に「むくんだり、パフォーマンスが落ちたりする可能性がある」と副作用について指摘されたので、ピルは飲まなかったです。でも今はたくさん種類があるので、自分に合うものを探して取り入れることも選択肢として重要だと感じています。当時から、アメリカでは多くの選手が取り入れていました。
あとは指導者が女性の身体について「気合いでなんとかなるものではない」と、知ることも重要です。生理のときは練習量を調整したり、メニューを変更したり、できることはあると思います。女子選手を指導するのであれば、知識を持っておくべき。スポーツの現場に限らず、職場でも同じことが言えますよね。
ー以前と比べて、生理に対する現場の理解は深まってきたと感じられますか?
少しずつではありますが、変わってきていると思います。若い選手を中心に、指導者と生理についてオープンに話している場面も見かけます。私自身は弱みを見せているように感じてしまって相談できなかったですが、今振り返ると、そういった意識は必要なかったと思います。生理も踏まえて戦っていけたら良かったなと。
人それぞれ痛みも症状も異なります。一人で抱え込まずに、選手と指導者が一緒に解決方法を探してほしいですね。
ー10代や20代のアスリートに知っておいてほしい身体のことや、意識してほしいことはありますか?
自分自身の身体を大切にしてほしいです。婦人科に行くことは、よほどの不調がない限りとても勇気がいることだと思います。生理が順調に来ているうちは良いですが、何かおかしいと感じたら恐れずに受診していただきたいですね。私は、アメリカにいたとき、みんなが当たり前のように受けていたので受診していました。
アスリートの場合、競技に没頭すると身体のことを後回しにしてしまうことも少なくありません。引退後の生活のほうが長いので、子どもを持つか持たないか選択できるように、身体は第一にしてほしいと思います。
女性が自分の身体を第一にできるよう、社会全体でサポートする必要性
ーママさんアスリートとして、競技と育児を両立して取り組む選手も増えてきています。
自分自身がママになってから、ママさんアスリートへのリスペクトが増しました。自分のことだけでも大変なのに、育児をしながら競技に取り組むのはすごいなと。産後復帰の大変さも計り知れません。だからこそ、挑戦する選手をサポートする環境や支援を整えていくべきだと感じています。
女性がキャリアを選ぶのか、プライベートを選ぶのかについては、スポーツ現場だけでなく社会の課題として向き合っていく必要があると思います。
20代〜30代前半は選手として競技と、30代後半からは女性として妊娠や出産と向き合われたと思います。出産を乗り越えた今、ケアされていることはあるのでしょうか?
更年期など、閉経に向けてどういったケアができるのか模索していきたいと思っています。誰もが通る道なので、隠さずに発信していきたいなと。元気でいるために、身体の不調を受け止めながら向き合っていきたいです。
産後ケアについても、ぜひ発信していただきたいですね。
ー杉山さんは、2022年よりテニス女子日本代表監督を務められています。監督としての目標や展望をお聞かせください。
日本テニス界のレベルに危機感を感じ、自分にもできることがあるのではないかと思い引き受けました。
心技体全てが揃ってこそ、世界と戦えます。昨年、メンタルコーチングについて勉強したので、若い選手に落とし込んでいければと。足りないところは選手それぞれですが、試合で気持ちをコントロールできなかったり、指導者とのコミュニケーションがうまくいっていない選手もいます。見て見ぬふりはできないので、役目を果たしたいと思っています。
ー最後に、スポーツを続ける女性へメッセージをお願いします。
繰り返しになりますが、自分の身体を大切にしてほしいです。「mederi」に込められた意味のように、自分を「愛でる」こと。一人で抱え込まず、信頼できる人に相談して進んでいってもらいたいです。あとから後悔してほしくありません。だからこそ、私も自分自身の経験をこれからも発信していきたいと思います。
指導者でもあり、引退後ずっとご自身の身体と向き合ってきた杉山さんだからこそ、伝えられるメッセージがあると思います。これからも、ご自身の経験を発信していただきたいです!
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