女子アイスホッケー、北京五輪快挙の理由を分析!2強にくらいつくには?

写真:本人提供

みなさんこんにちは!女子アイスホッケーの佐藤つば冴です。

先月行われた北京冬季五輪。みなさんは観戦しましたか?今大会日本は、冬季五輪過去最多である18個のメダル獲得という快挙を成し遂げました。
その中で私が個人的に注目していた競技。それは私自身も競技者である「女子アイスホッケー」です。

今回は冬季五輪での日本代表の結果も交えながら、女子アイスホッケーについてみなさんにご紹介します。このコラムを見て、一人でも多くの方に女子アイスホッケーの魅力を伝えられたらなと思います。

 

激しい戦い、日本代表の快挙

アイスホッケーとは、氷上の格闘技とも言われ、スピード感あふれる展開と激しい接触プレーが見ものの競技です。主に盛んな国はアメリカとカナダで、五輪では必ずと言って良いほどこの2チームのどちらかが常に金メダル争いをしています。

そんな強豪相手に女子日本代表「スマイル・ジャパン」がメダルを獲得するためには、2つの条件があります。それは1次リーグを1位で通過すること、決勝トーナメント初戦でアメリカとカナダに当たらないことです。

今回3大会連続の五輪出場となったスマイルジャパン。これまでスマイルジャパンは、2014年のソチ五輪では5戦全敗、2018年の平昌五輪では初勝利するものの1次リーグは突破できずの結果でした。
そこから少しずつ育成と強化が進み、昨年行われた世界選手権では過去最高の6位という結果を獲得しました。

そして迎えた北京五輪。日本はメダル獲得の第一条件だった「一次リーグ突破」を1位で通過し、初の準決勝に進みます。準決勝で世界ランキング3位の強豪フィンランドと対戦。1−7という結果で負けてしまいましたが、五輪初の準決勝進出はすごいことでした!

少しずつ世界と戦えるレベルになってきているのかなと印象深かったです。

写真:本人提供

日本の成長、分厚い壁に立ち向かう

海外のアイスホッケーのレベルはとても高いです。カナダとアメリカが1番盛んで、競技人口もとても多いです。体格差や高いポテンシャルのある選手が多くプレーする国と立ち向かうのは、日本以外の国でも難しい状況にあります。そのような状況の中で、日本が1次リーグを1位で通過したこと自体が本当にすごいことなんです!

日本が勝てた要因は、これまでの大会と比較して運動量、得点力、阻止力の向上があると感じました。阻止力に関しては、キーパーの藤本那菜選手のセーブ率がかなり高く、相手の得点の危機を何度も回避していました。

藤本選手もそうですが、今回日本代表に何名か海外でプレー経験がある選手が選出されていて。海外経験を積んだ選手がいたということも大きな要因かなと思います。しかし、世界と戦うためにはより日本の強みを強化し、技術やパワー、フィジカルの部分でのレベルアップが求められます。長い目で選手の育成強化に取り組むことが、世界で勝つために必要だと思います。

女子アイスホッケーの発展に向けて

アイスホッケーは、バスケのように何度も得点の機会があるのではなく、サッカーやラグビーと同じで「戦術的」に数少ないチャンスで得点を狙うスポーツです。なので少ないチャンスでいかに点を取るか、相手に点を取らせないかがとても重要です。

日本が世界で戦っていくためにも、競技人口を増やし、実践形式を積める環境が大切なのかなと思います。私個人としては、女子アイスホッケーの面白さを一人でも多くの方に知ってもらい、これからも発信を続けていきたいなと思います。是非試合を見に来て、女子アイスホッケー選手たちの白熱した試合を楽しんでほしいです!

写真:本人提供

■佐藤つば冴
1993年9月28日生まれ。女子アイスホッケーチーム「軽井沢フェアリーズ」に所属。
2018年に放送された恋愛リアリティショー「TERRACE HOUSE」に出演し、同世代から多くの支持を得る。

2021年10月に、アメリカのプロチーム「Connecticut Whale」にドラフト指名されトライアルに挑戦。結果は惜しくも契約とはならなかったが、日本のアイスホッケー普及のために活発な活動を行っている。Instagramのフォロワーは約24万人と、日本の女子アスリートの中でトップレベルの影響力を持つ。
Twitter:@korochan25
Instagram:@korochan25

 

RELATED

PICK UP

NEW