筋トレ前にご飯食べてく?トレーニング前後の食事ルールの基本
こんにちは。管理栄養士の佐藤彩香です。
より綺麗に!より美しく!と身体を動かしている女性や、自分の好きな競技成績を上げるために、日々努力されている女性が増えていますね。ここでお伝えしたいのが、トレーニング前後の食事を意識することで、より運動効率が上がるということです。今回は、そこのポイントをお伝えします。
全員に共通したルールはない
エネルギー補給を考える上でのポイントは以下の3つ。
ですが、誰でもすぐに正解の方法がわかる方程式はありません。
- 運動強度
- 最後の食事から運動までの時間
- 目的はなにか(減量?増量?維持?など)
などを複合的に考慮し、自分に合う方法に変えていく必要があります。
「万人に当てはまる正解」はないので、いろいろ試しながら最終的に何が自分に合うのかを見つけていけるようになりたいですね。
運動強度が高ければ、多くのカロリーを必要とするのが一般的ですが、種目はもちろん、運動時間や、その前の食事のとり方によってもトレーニング前後の食事内容は変わります。
運動強度が低かったり、短時間の運動でしたら、水分摂取だけで十分な場合もありますが、中強度~高強度のトレーニングを行う場合や、食事から4時間ほど空く場合は補食が必要です。
中強度~高強度のトレーニングでは、運動する際にエネルギー源になる糖質や筋肉の修復をしてくれるたんぱく質が土台で必要になります。
では細かくその他の条件も合わせてみていきましょう。
トレーニング前の食事のタイミング
仕事後にそのままトレーニングに向かう場合
12時にお昼を食べて、仕事終わりの19時頃からトレーニングをされる方も多いのではないでしょうか。この場合、最後の食事から6〜7時間も空いてしまっていますね。その場合は、補食を食べてからトレーニングに向かう方がいいでしょう。
ここでの食事内容は、トレーニングまでの時間から考えていきます。
トレーニングの2時間前くらいに食事をとる場合
夕方に少し食べて、夜運動をする。そんな方は、消化によいものを食べましょう。おにぎりやパンなど、消化しやすいように食物繊維や脂質を多く含みすぎないものがおすすめです。
トレーニング直前に食事をとる場合
トレーニングまで1時間を切っている場合、消化が比較的早いバナナやゼリーのような流動のものを補給しても良いと思います。たんぱく質を補給したい場合も胃もたれや消化不良を起こさないように大量にとることはやめましょう。
目的が減量の場合
トレーニング前に食事を抜くことも多いかもしれません。脂肪を燃やしたい場合、できるだけ食べる量を減らしてトレーニングする方も多いと思いますが、実は極端にエネルギーが不足していると、低血糖の危険があります。低血糖になってしまうと、疲労感を感じやすくなり、めまいなどにも繋がりパフォーマンスが低下する可能性があります。
とくに強度の高いトレーニングは危険です。トレーニング前は、少し糖質を身体に入れておくと、低血糖を防ぐだけでなく、効果的に脂肪を燃焼することができます。
筋肉を増やすことを目的とする場合
おにぎりやバナナなどの糖質はもちろんですが、たんぱく質を補給してからトレーニングをしていきましょう。たんぱく質は、効果的に傷ついた筋肉を補修はもちろん、トレーニング前よりも筋肉を太くするサポートをします。コンビニで揃えられるものであれば、ささみバーやチーズ、ヨーグルトやゆで卵などを食べておけるといいですし、プロテインをうまく使ってもよいですね。
トレーニング後の食事で気をつけたいこと
トレーニング後の身体は非常に疲れた状態です。筋肉は損傷し、エネルギーを使っている状態になります。また、発汗した場合は、身体の中の水分はもちろん、ミネラルなども汗と一緒に失われています。そのため、トレーニング後にはできるだけ早く栄養を身体に届けていきたいです。
特に積極的に摂取したいのは、たんぱく質、糖質、ミネラル類。
たんぱく質
たんぱく質はダメージを負った筋肉のリカバリーには絶対に必要になります。またトレーニング前よりも強い筋肉を作るためも必要となります。
プロテインなどでさっと補うのが簡易的ではありますが、コンビニで売っている牛乳やゆで卵など手軽にぱっと摂れるものでも構いません。糖質はバナナなどの果物やおにぎりなどを食べてもいいですね。
糖質
エネルギーを使ったトレーニング後は、間違いなく少なくなっています。強度が高ければ、高いほどその割合は高くなります。たんぱく質と合わせて摂取することで筋肉の合成が促進されるため、たんぱく質と糖質は合わせて摂取することをおすすめします。
減量をしている方のなかには糖質を避けているという人もいますが、スポーツドリンクにも含まれている糖質にも気をつけましょう。ドリンクの種類にもよりますが、500mlで、糖質が30gほど入っているものもあります。がぶがぶとスポーツドリンクを飲んでいたら意外と糖質を摂っていることも。30gというと、バナナ1本分の糖質は摂れていることになるので、追加で炭水化物を食べると減量的にはオーバーになるケースもあります。
ミネラル類
汗で失われがちなカルシウムやカリウム、ナトリウム、マグネシウムなどのミネラルもしっかり補給しておきましょう。これは運動直後であれば、サプリメントなどの補助食品でないと難しい場合もあると思いますので、夕飯でしっかり肉や魚をはじめ、野菜や海藻類をしっかり食べて補っていきましょう。
トレーニングを行ったあとは、身体のエネルギーを使い果たし、食べたものを吸収しやすい状態になっています。そのため、砂糖が大量に入っている甘いお菓子を食べると、太りやすくなる可能性があります。
なかには、トレーニング後のご褒美として甘いものを食べる方もいるかもしれませんが、減量を目的にする際にはおすすめしません。トレーニング後は低血糖になっている場合もあり、そこで大量の砂糖を食べると血糖値スパイクが起こり、脂肪を溜め込む原因にも。たまに食べる息抜きとしてはいいですが、習慣化させないようにしましょう。
またアルコールは、筋肉の合成を促進するテストステロンを抑制、筋肉を分解して体脂肪を蓄えるコルチゾールというホルモンの分泌を促します。
「トレーニング後のアルコールがおいしいのに!!」
その気持ちはわかりますが、せっかくのトレーニング効果がもったいないことになるので、アルコールはほどほどにしていきましょう!
以上トレーニング前後の食事のポイントをお伝えしました。人それぞれ、ライフスタイルも違えば、体質も違うため、この記事を参考に試していただき、自分にあった運動前後の食事方法をみつけていきましょう。
佐藤 彩香(さとう あやか)
企業や保育園で栄養カウンセリング、献立作成、栄養計算、店舗運営を経験し、その後独立。健康を土台とした実践型の栄養サポートを行ない、プロアスリート~スポーツキッズ、ダイエット希望の方など累計5000人を超える人々と関わる。
現在はパーソナル栄養サポート、セミナー講師、ライター活動、レシピ開発なども行ないながら、「あなたのかかりつけ栄養士」として活動している。