パターン別!夏バテが引き起こす「夏太り」と、それを解消する食事の食べ方
毎日暑い日が続いていますが、皆さん夏バテはしていませんか?夏バテで食欲がないのに太ってしまう時、一体からだには何が起こっているのか。
今回は、パターン別の夏太りと、夏太りを解消する食事方法を、ボディメイク専門のパーソナルトレーナー佐久間健一さんに伺いました。
モデルを中心に年間4,000件以上のパーソナルトレーニングを担当、女性専用のパーソナルトレーニングジム「CharmBody」の代表であり、シリーズ累計130万部を突破の書籍『モデルが秘密にしたがる 体幹リセットダイエット』、第二弾『体幹リセットダイエット 究極の部分やせ』の著者でもある佐久間さん。
そんな佐久間さんが教える、「夏太り」の原因と、それを解消する食事の食べ方とは。
目次
あなたはどれに当てはまる?ありがち「夏太り」3パターン
夏太りには、主に下記の3パターンがあります。
①夏バテで一日中食欲が湧かない
②だるくて朝から夕方までの時間帯に食欲がわかない
③夏バテ気味で食欲は落ちたけど、夜のアイスだけはやめられない
あなたはどれに当たりますか?次は、それぞれの解消方法を見ていきましょう。
①夏バテで一日中食欲が湧かない
夏バテで食欲が湧かず、飲み物や消化の良い食事が中心に。一見痩せていきそうなこの食生活で、なぜか太ってしまうその原因は、からだが省エネ化して脂肪を溜め込みやすくなっているから。
からだが省エネ化を引き起こす理由
・水分不足による基礎代謝の低下
筋肉の70%は水分。なので、水分消費の激しい夏に体内の水分が不足すると、筋肉量も伴って減少。結果として基礎代謝の低下を招く原因に。
・消化を重視した炭水化物メインの食事
そうめんやおにぎりなど、消化の良さを重視した炭水化物メインの食事。これが続くと、インスリンの分泌が増加し体脂肪が増えやすくなる原因に。
・重たい食べ物、良く噛む食べ物を食べなくなる
重たい食事、良く噛む食事=脂質・たんぱく質の摂取を避けた結果、脂肪の分解・消費といった内臓の消化吸収活動が減り、これも基礎代謝の低下を招く原因に。
これらの理由で、からだは栄養不足による生命の危機を感じ、「消費をせずにとにかく溜め込もう!」と省エネモードに入ってしまうのです。
解消方法
いつまでも栄養不足状態の省エネモードでは、気候が涼しくなり食欲が湧いてきた頃に、間違いなくリバウンドしてしまいます。そうならない為にも、早速3つの解消方法を見てみましょう!
・飲み物は冷蔵庫で冷やす程度か、常温、または温かいものを
この時期、水分を多く摂ることは必須!しかし、氷でキンキンに冷やされた飲み物ばかりを摂取すると、「熱ショックたんぱく質」と呼ばれる筋肉を維持するためのたんぱく質の機能を低下させ、筋肉の分解を速めてしまう原因になるので注意しましょう。水分補給には冷蔵庫で冷やした程度か、常温、または温かい飲み物がベターです。
・毎食たんぱく質を摂る
たんぱく質はインスリン分泌により糖が脂肪になる流れを食い止め、「筋肉保持のためのエネルギー」として筋肉内に蓄えられるよう促す機能があるので、そば+玉子、ごはん+納豆、そうめん+豆腐等、毎食一品添えることを心がけましょう。
・毎朝脂質を摂る
脂質は体内のホルモンを生成し、自律神経を調整します。脂肪の分解も、基礎代謝の向上も、脂質が不足すると低下してしまうのです。食欲が落ちる夏の時期は、重く感じやすい脂質は液体で摂ることをおすすめします。
サラダや炒め物+オリーブオイル、卵かけご飯+ごま油。ヨーグルトなどの乳製品を活用するのも良いでしょう。脂質が多い食事は、摂ったカロリーを熱として放出する機能を高めてくれるので、省エネ化したからだの改善に大きな効果を発揮します。
無理をして食べるのではなく、ちょっと工夫して気をつけるだけでOK!ダイエット中に食欲が湧かないと、なんとなくラッキー!と感じますし、そもそも夏バテで食欲が湧かないのに、無理に食べましょう!と言われてもきついと思います。そういう時期には無理せず、上にご紹介したようなちょっとした工夫を取り入れて夏太りを防ぎましょう!
②だるくて朝から夕方までの時間帯に食欲がわかない
夏は食欲が落ちて自然と痩せるイメージ。にもかかわらず、夜の暴食で夏太りをしてしまう。その原因は、日中の過酷な環境から受けるストレスと、自律神経の乱れにありました。
夏に自律神経が乱れる理由
・室内外の気温差や湿度の高さによるストレス
・日照時間により生じる交感神経のアンバランス
・冷房により生じる体温調整の不具合
こうした理由から午前中のだるさ、日中の疲労、冷えなど、大きな負担を抱えたからだが、本来あるべきホルモン状態を取り戻そうとして、夜に食欲を爆発させてしまうのです。
解消方法
これらのストレスに対抗し、自律神経を整えてリラックスホルモンを作るには、糖質・脂質・乳製品が必要不可欠です。食欲を我慢してさらなるストレスを溜め込む前に、夏の夜の暴食を抑える食事方法を早速見てみましょう!
・寝起きに必ず糖質をとる
やはり一番にストレスケアをすべきは、思考・感情、ホルモン分泌の有無、それら全てを司っている脳です。脳の唯一の栄養素である糖質を、できるだけ寝起き30分以内につまむようにしましょう。オールブラン・ライ麦パン・ロカボ食品がおすすめです。
・お昼にはデザート、おやつも食べる
お昼のデザートにはヨーグルトやクリームチーズといった乳製品を含むものが、その後のおやつにはアーモンドやクルミ等の脂質を含むナッツ類がおすすめです。
・夜はたんぱく質をメインに食べる
朝と昼にリラックスホルモンの材料である糖質・脂質・乳製品を摂ることができれば、夜の食欲は自然と静まっているはず。なので、夜の食事で大切になるのは血糖値を安定させること。糖を筋肉に蓄えるたんぱく質をメインに、魚や玉子、肉類の食事を摂りましょう。
食欲を我慢してストレスを溜めるのではなく、自律神経を整えて対処しよう!食欲がない、バテて体調が悪い…という症状は、朝から夕方の時間帯に現れることが統計上最も多く、そのツケは夜の時間帯に食欲という形で現れがちです。実は夏の夜こそ増える食欲。我慢してストレスを溜めたりせずに、上手に対処しましょう!
③夏バテ気味で食欲は落ちたけど、夜のアイスだけはやめられない
夜のリラックスタイムにアイスを食べること自体は決して悪いことではありません。アイスの糖質は筋肉・肝臓のエネルギーに、アイスの脂質はホルモンの生成・細胞膜の補修に使われるので、実は良いことがたくさん。
反面、やっかいなのは翌日乱れがちになる血糖値の波です。アイスの糖質により上がった血糖値を下げるためインスリンが分泌され、翌朝の血糖値はとても低い状態に。1日の血糖値の波は朝の状態で決まるため、朝のうちに対処をしないとその日ずっと血糖値は不安定になってしまいます。
つまり、問題はアイスを食べたことではなく、アイスを食べた翌朝の過ごし方にあるのです。
夜にアイスを食べた日の翌朝の特徴
・血糖値が大幅に下がっている
・筋肉内に水分とエネルギーが溜まっている
・細胞内の水分量が増加し、からだのむくみやダルさ、重さを感じる
対策を取らずにこれらを放っておくと、血糖値を上げるために筋肉は分解され減少し、熱を作れずむくんだまま、常に疲れと太りやすさを感じるからだになってしまいます。
解消方法
それでは、夜の至福のアイスタイムを楽しむためにも、早速3つの解消方法を見てみましょう!
・朝起きたら、早めに固形のたんぱく質を摂る
普段から朝食を食べる習慣がない人もいると思うのですが、アイスを食べた翌朝は、固形のたんぱく質を摂取するよう心がけてみてください。
たんぱく質は食べた時点で「脂肪を分解しなさい!」というホルモンを分泌し、せっせと熱を作り、放出する働きがあるので、余分な水分を減らしてくれます。同時に、たんぱく質自体もエネルギーとして使われるので、からだがスッキリ軽くなっていきます。
・午前中に水分を多く摂る
朝に水分を多く摂る習慣が身につけば、より熱を作りやすく、汗もかきやすいめぐりの良い体質に。水分が不足すると、70%が水分で形成されている筋肉にも影響が及び、筋肉量の低下につながるので気をつけましょう。
・お昼には脂質と糖質を摂る
お昼には、からだの機能の循環を良くするため脂質と糖質を含んだものを摂ること。午前に整えた血糖値、からだの熱産生を引き継いでくれます。糖質には、オールブランのような吸収の遅い玄米や全粒粉、脂質にはシャケや青魚、お肉等がおすすめです。
…ちなみに、その夜のアイスのことも考えて、夕食のメインはたんぱく質を中心に摂れるとベストです!
「アイスを食べたい」欲求がおこること自体は理に適っています!暑さで日中の交感神経が、より活性化する夏。この日中に不足した水分や、汗で奪われた糖分・塩分・ミネラルを、夜のアイスで補いたくなること自体は実はごく自然なこと。翌朝の食べ方にだけ気をつけて、1日のご褒美アイスを楽しみましょう!