初めての東京マラソンで培ったもの【佐野千晃RUNコラム】
こんにちは。元グラビアアイドル、現マラソンモデルのちゃーちんこと佐野千晃です。
東京マラソン2019は、雨の中での初めてのフルマラソン。
仲間と一緒に走る初めてのフルマラソン。
ペーサーがつく初めてのフルマラソン。
こんなに環境が整った初めてのフルマラソン。
そんなたくさんの初めてが詰まった東京マラソン2019、佐野千晃目線の東京マラソン2019について語らせてください。
目次
お酒は我慢。目標が強ければ誘惑には勝てる!
東京マラソン2019に出走するのが決まったのは、2018年の12月でした。
その時点での自己ベストが3:21:49(名古屋ウィメンズマラソン2017)だったので、この東京マラソンでサブ3(フルマラソン42.195kmを3時間以内にゴールすること)を目指すことを決意。出走が決まった日からお酒を一切飲まないようにしました。
年末年始でお誘いも多く、誘惑に揺れる日ももちろんありました。それでもその場の楽しい時間よりも、サブ3をしたい気持ちが勝っていたので、素面でも飲み会を楽しむことができました。
取り入れていたプロテイン
練習の負荷を急に上げたら腰を負傷。もどかしい時間
最初はjogばかりしていた練習も、1月始めからポイント練習を取り入れ始めました。ポイント練習とは、スピード持久力を高めるインターバルや有酸素運動能力を高めるビルドアップ走など、負荷が大きい練習のことです。
私の基本的な1週間の練習メニューは、週2回ポイント、1回ロング、2回つなぎjog、2回offのメニュー構成となっています。
が、しかし、そのいきなりのポイント練習がいけなかったのか、朝目覚めた時に起き上がれないほど腰が痛くなってしまい、練習はおろか、普通の生活すらままならない状況になってしまいました。
フルマラソンの3ヶ月前は、一番追い込む時期で一番辛い練習をこなせる時期なのに、まともに歩けもしない自分にとても嫌気がさしました。
怪我は体だけでなく、メンタルにもダメージを及ぼすので、心身共にボロボロの状態でした。
そんなボロボロの私への診断結果は、仙骨関節炎という症状でした。(ふとしたはずみや負荷で関節がずれ、人体や周囲の神経に影響を与え痛みが起きる)
接骨院に行き、整体に行き、鍼に行き、一週間ちょっとでゆっくりjogができる程度には復活できました。
しかしその頃にはすでに1月が半分以上も過ぎてしまい、サブ3を狙う練習をしても全くと言っていいほどタイムも距離も伸びませんでした。
自分自身にサブ3という重いプレッシャーをかけ、走ることがいつも以上にきつく辛いものになっているのに気付かず、必死に走って伸びないタイムとにらめっこしている状態が続きました。
残り2週間。気持ちを変えたビルドアップ練。
東京マラソンまで2週間となった頃、15kmのビルドアップ練習(5kmごとにラップタイムを上げていく練習法)を行いました。ギリギリではありましたが、最後まで決められたペースについていくことができました。
そのとき、
すごい!
この練習をこの時期にクリアできれば3:15:00切れるよ!
しっかりラスト上がるの凄い!
東京マラソンが楽しみだね!
期待してるよ!
と、一緒に走ったみんなに大袈裟なほど褒めていただきました。
サブ3に届かないこんな私でも、ちゃんと期待してもらえるんだ。努力は認めてもらえるんだ。
今までタイムが伸びずにモチベーションが下がっていた私が、そう感じられたことをきっかけに何かが変わった気がしました。
それまでの私は、自ら掲げた高い目標に縛られていたんだと気づきました。結果が出ないことに焦り、自分を褒めてあげることができずに、落ち込む毎日。でも、その瞬間できる限りのことに取り組む自分に期待して、応援してくれるみんなの言葉に救われました。
自分の今あるレベルをしっかり見分け、そのレベルに合った低過ぎず高過ぎない練習メニューを考案し、目標タイムに向かって取り組んで行くこと、自分を認めることが、身体的にも精神的にも一番成長する事を実感しました。
サブ3はまだこのタイミングじゃないんだなと思い、3:15:00を切るという新しい目標を立てる事ができました。東京マラソンまで残り2週間ないぐらいでしたが、そこからは質の良い練習が出来た気がします。
そして当日。
雨の中、ペーサーと二人三脚で走る東京の街
気温4.7度の雨の中始まった東京マラソン。10分前までベンチコートを着ながら待機し、いざペーサーとともにスタート。
ペーサーとは、ランナーが好タイムを出せるようにその目標となるペースを刻んで走るペースメーカーのこと。この方についていけばきっと目標タイムを切れるという安心感があります。
いつも前半飛ばしてしまうわたしが、今回はハーフを超えた時に1:39:00ぐらいとスローペース。
そのまま倍にしても3:18:00、、、ペーサーさんに何度も15分切れますか?と焦って確認してしまうほど前半は抑えめで、それが功を奏してか後半30kmを超えても、35kmを超えても足が重くならず、どんどんペースアップして行けました。
普段は30㎞を超えるとペースダウンしてしまっていたので、ペーサーさんのありがたみを感じました。
私は今回15km、25km、35kmでエナジージェルを補給し、10km過ぎから毎5kmでスポドリを摂取しました。
いつもエナジージェルは20kmに一個ぐらい、スポドリは取れたタイミングでしかとらなかったので、このこまめな補給も後半足が止まらなかった理由だと思います。
最後5kmはかなりペースが上がっているのがわかるぐらい、ぐんぐん人を抜かしていました。
しかしラスト2km地点で一瞬、ペーサーから距離が離れそうに。
ここ踏ん張らないと15分切れませんよ!
と声をかけられても、返事ができないほどに余裕がありませんでした。でもなんとかついていく・・・。ここからは精神力との闘いです。
そのきついところを離れず食らいついた甲斐があり、目標の3:15:00を36秒上回る3:14:24でゴールすることができました。
達成感が少なかった理由
でも、なぜでしょう。
目標タイムをクリアしてるのにやったー!感が全くなかったのです。自己ベスト出たかーぐらいの気持ち。
きっとそれは自分自身に掲げている、3:15:00を切るよりもサブ3よりも、さらに先の目標。
“芸能人最速女子になる”という目標を達成できていないからだと思います。
まだまだいける、サブ3も遠くないって、この東京マラソンを走って今まで以上に強く思えるようになりました。
それが今回のマラソンの一番の収穫です。
私は心身共に常に進化し、変化していく人でありたいです。
向上心を忘れず、腐らず、現状に満足せず、感謝の意を込めてこれからもフルマラソンや、色んな分野に挑戦をしていきたいと思います。
いつか必ずサブ3を達成し、芸能人最速女子になります。
人生は、思い通りにいきません。
でも、思う通りにしかなりません。
思いを行動に、行動を結果に。
佐野千晃
プロフィール
佐野 千晃(さの ちあき)
マラソンモデル、スポーツフードアドバイザー、ランニングアドバイザー。
2015年、初めて挑戦したフルマラソンを3時間40秒の好タイムで完走。このときマラソンの楽しさにめざめ、マラソンモデルとしての活動をはじめる。
好きなものは、ゴルフ、旅行、ハーレーなど楽しいこと。
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