ランニングフォームを改善する方法は? マラソンモデル・佐野千晃のアンサー
あろはー!元グラビアアイドル、現役マラソンモデルのちゃーちんこと佐野千晃です。
今回は、私、佐野千晃が考えるランニングフォームの改善方法について話したいと思います。
日常的に走ってはいるものの、自分のランニングフォームに自信がない人って意外と多いのではないでしょうか?
ランニングフォームの正解はひとつではありませんが、この記事が「あなたの中で何かが変わるきっかけ」になれば良いと思います。
目次
ランニングフォーム改善の鍵は上半身にある
ランニングを始めたばかりの人がフォームを改善しようとするとき、最初に気にするのは履いているシューズのことや着地の仕方など、下半身に関することだと思います。
もちろん下半身の動きも重要ですが、実はランニングフォームは腕の振り方や姿勢といった上半身の動きに着目したほうが修正しやすいんです。
上半身と下半身は連動しています。腕を後ろに大きく振れば足はおのずと前に出る。猫背で走れば足は後ろに流れてしまう。上半身の動きが良くなるにつれ、下半身の動きも良くなっていきます。つまり、上半身の動きを改善すれば、ランニングフォーム全体が改善されるのです。
チェックポイント1:背筋はまっすぐ伸びている?
基本は背筋をまっすぐ伸ばす
◯背筋が伸びたフォーム
普段の姿勢と一緒で、基本的には背筋をまっすぐ伸ばした姿勢が良いフォームです。見た目が美しく、速そうですね。笑
前傾・後傾していると疲れやすい
△前傾したフォームのイメージ
体が前に傾くと、肩が内側に入り、お腹の筋肉が収縮します。このとき内臓にかかる負担は大きく、背筋がまっすぐ伸びているときよりも無駄な力を使っている状態です。
また、体が前に傾いているぶん、バランスを取ろうとして足が流れてしまいがちです。これでは、足を前に出すにも無駄な力を使ってしまうことになります。
つまり、体が前に傾いたフォームだと疲れやすくなります。
△後傾したフォームのイメージ
体が後ろに傾いているフォームは、一見、背筋が伸びており問題なさそうです。でも、実際は重心が後ろにあるために、目線が高くあごが上がってしまいがちです。
さらに、進む方向とは反対側に重心があるのは、ブレーキをかけながら走っているのと同じです。
つまり、体が後ろに傾いたフォームも疲れやすいと言えます。
足が流れるとは、足でしっかりと地面を踏み込めていないために、地面からの反発力を十分にエネルギーに変えられていない状態のことです。エネルギー効率のよくない走り方とされています。蹴り上げた足が後ろに取り残されるので、再び足を前に出すときに余分にエネルギーと時間が必要になります。そのため、疲れやすくなったり、スピードが落ちてしまったりします。
◯足が流れていない状態(左)と△足が流れている状態(右)のイメージ
意識することから始めよう
姿勢を直すのは簡単ではありません。まずはなるべく意識することから始め、少しずつ、時間をかけて取り組んでいきましょう。
基本の姿勢では、頭の先を糸で吊られているイメージで背筋を伸ばし、肩甲骨の力を抜いて骨盤をまっすぐに立てるのを意識します。目線は10m先の地面に向け、あごを少し引くイメージです。
体幹トレーニングで改善しよう
体幹トレーニングをおこなうのもおすすめです。
胴には姿勢を維持するための筋肉が集まっており、体幹とも呼ばれます。木をイメージしてもらうとわかりやすいですが、幹(胴)がしっかりしていない限り、どんなに枝(腕や足)を鍛えても100%の力を発揮することができません。
体幹を鍛えれば、走るときはもちろん、歩くときや階段を上るときの姿勢も安定します。体幹を鍛えて損はないので、簡単な筋トレをおこないましょう!
■プランクのやり方
1.うつぶせになり、両ひじを床につく。
2.お腹を持ち上げ、頭からかかとまで一直線に。
3.そのままの姿勢をキープ。
チェックポイント2:肩の力は抜けている?
基本は肩が下がっている状態
◯肩が下がっている状態(左)と△上がっている状態(右)のイメージ
基本的には肩が下がっていているのが良いフォームです。肩が下がっているほうが自然で、リラックスしてように見えますね。
肩が上がると肩こりの原因になる
私の場合も力んでしまい、肩が段々上がってきてしまうことがあります。肩が上がると、下がっているとき(リラックスしているとき)の2倍くらい疲れてしまいます。
力んでいるということはずっと力を入れている状態です。拳を力強く握っていたら手が疲れてしまいますよね?
だから、力み続けることで肩がこってしまうのは当然といえば当然です。走るときもそうですが、寒いときや長時間デスクワークをするときなど、無意識に肩に力が入る場面では、いつも以上にリラックスすることを意識すると疲れにくくなりますよ。
肩下げで改善しよう
私自身も疲れが出始めたときには、無意識に力んでしまい、肩が段々上がってきてしまうことがあります。そんなときは「肩下げ」をします。
足を止めなくてよいので、少し腕振りをやめます。一気に肩の力を抜いて、腕をストンと下ろしてみてください。肩の力が抜け、リラックスした状態になると思います。
肩下げをしてもなんだかまだ力んでいると感じるときは、腕を上から下にブンブンと振ります。走っている間に意識的に肩下げをすることで、リラックスした状態を長く維持できていると思います。
チェックポイント3:腕は前後に振れている?
基本は腕を前後に振る
◯腕を後ろまで振っている状態(左)と△前だけで振っている状態(右)のイメージ
基本的には腕を前後に振っているのが良いフォームです。
腕を前だけ・後ろだけで振ると疲れやすい
腕を前後に振ることができていれば、足も後ろから前に連動して出すことができます。
腕を前だけで振っていると足を十分に前に出せず、腕を後ろだけで振っていると足が前に出すぎてしまいます。どちらの場合も、疲れやすくなることにつながります。
腕が前とか後ろとか言われても・・・とイメージしづらかった人がいるかもしれません。まず、自分の体を中心にひじを90度に曲げたときの手首の場所を確認してみてください。骨盤のあたりに手首があると思います。そのまま脇を締め、振り子のように肩から振ってみてください。腕を前後に振る感覚が何となくわかりましたか?
肩甲骨のストレッチで改善しよう
肩周りをほぐすには、肩甲骨のストレッチがおすすめです。肩周りには上半身の中で特に大きな骨と筋肉があります。
私は走る前はもちろん、お風呂に入っているときにも必ずストレッチをしています。肩甲骨をほぐすことによって全身が楽になることを実感してみてください。
1.指先を肩に置く。
2.上、横、下の順で大きく回す。
3.逆回りでもおこなう。
ランニングフォームを改善するときの注意
フォームの改善は自分自身が今まで培ってきたものを意識的に直すことになるので、頭も体もとても疲れてしまうと思います。
一気に走り方を変えようと思わず、まずは今回の記事で気になった点を意識することから始めてみてください。気づいたときに腕振りを見直してみたり、自分のフォームが見えるときに前傾姿勢になってないか確認したりするだけでも良いと思います(私はビルのガラスの反射とかでチェックしています笑)。
良いとされるフォームの知識と良いフォームにしようとする意識があれば、ランニングの時間がこれまでよりも有意義なものになると思います。
最初にお話ししたように、すべての人にとって、この記事に書いたランニングフォームが正解ではありません。でも、自分自身の体に合ったフォームを見つけるヒントにしてもらえると嬉しいです。これからも楽しいランニングをしてくださいね!
■プロフィール
佐野千晃(さのちあき)
マラソンモデル、スポーツフードアドバイザー、ランニングアドバイザー。
2015年、初めて挑戦したフルマラソンを3時間40秒の好タイムで完走。このときマラソンの楽しさにめざめ、マラソンモデルとしての活動をはじめる。
現在のフルマラソンベストタイムは東京マラソン2019での3時間14分24秒。芸能人最速女子をめざして日々鍛錬中。
ホノルル駅伝では優勝、初トレイルラン27kmでは3時間47分16秒で年代別2位、初トライアスロンでは2時間47分02秒でフィニッシュ。
好きなものは、ゴルフ、旅行、ハーレーなど楽しいこと。
■佐野千晃さんの他のコラムも要チェック!