B&×lerepas栄養サポート企画〜ハードラー石塚晴子さん〜vol.1
こんにちは!私は現役陸上選手の石塚晴子と申します。
このたび「B&」×「lerepas」コラボ企画として、女性アスリートへの栄養サポートを受けさせていただくことになりました。今後こうして、いち女性アスリートとして、食事改善を通して何を感じたかや、からだにどんな変化が出てきたかなどをご報告をしていきます。
今回はスタート宣言!としまして、サポートを受けるに至った経緯や、初回カウンセリングがどんな内容だったかについて書いていきたいと思います。
いつも挫折気味の栄養管理
「B&が企画した女性アスリート同士のコミュニティ活動の一環として、管理栄養士によるサポートをするのですが、石塚さんも受けてみませんか?」と声をかけて下さったのが、B&編集長の小田さんでした。
B&には以前、私のインタビュー記事を前後編で掲載していただきました。
アスリートとして活動する上で、考えて栄養を摂るのはとても重要です。
ですが、頭で分かっていてもなかなか実行できなかったりして、一人暮らしで自炊は私の中では少し「めんどくさい」分野の話でもあったのです。
その証拠に、私は栄養計算アプリもいつも続かず、昨年別で受けた栄養指導は3ヶ月ほどで挫折しました。
おまけに今年は、順調に積めていた冬季練習の流れもコロナ禍で絶たれて、モチベーションも練習場所も失って、生活リズムを崩していたところでした。
「ぶっちゃけ、これまでのことがあって続く気がしないんですが…」と率直に相談したところ、3人でビデオ通話を設けて丁寧に説明してもらい、「やるぞ!」と踏み切るに至ったのでした。小田さん、ありがとうございます。
痩せることが目的じゃない
私は若干貧血気味なのと、当時自分の体型が気になって、管理栄養士に相談をしました。その方はもちろん仕事として真摯に対応してくれました。
面談中に「体型が気になるようだけど、体重は何キロで、体脂肪率は何%が目標?」と聞かれたのですが、私はその質問に答えることができませんでした。
なぜなら、自分のベスト体重なんて、いまだに分からないからです。
高校時代から(現在22歳)は明らかに増えていて、だけどそれは女性として当然のことで。成長期前のように痩せれば速く走れると思うのは間違っているけど、今の自分にもまだ自信が持てない。
とりあえず漠然と「痩せたい」とだけ思うのって、とても苦しいことです。そんな女性アスリートの誰もがぶつかる悩みに、私もその質問で直面しました。
「食事の写真を送ってくれたら栄養を計算します」と提案して下さったのですが、自信が持てずに一度も送ることができずに終わってしまったのです。
栄養士・佐藤彩香さんとの初カウンセリング
まず佐藤さんとビデオ通話で1時間の面談をしました。
大まかな流れは…
・基本情報、現在のライフスタイル
・今気になっていること、悩みごと
・目標共有
・アドバイス→その中の数点をチョイス
「Welpath」というアプリを使って食事記録をしますが、カロリー計算はありません。肉や魚などの品目のボタンをポチポチ押すだけなので、ゲームで得点が入るような感覚で記録できます。
今だからこその目標
カウンセリングで佐藤さんと共有したのは「競技力向上より、体質改善をテーマにしよう」という目標でした。
練習場も封鎖されてスケジュールも立たない中なので、競技的観点から食事改善の効果を感じるより、からだの基礎的なコンディション(便通、免疫、睡眠など)を整えることをゴールにしました。
私の悩みは…
・免疫力が低い
・睡眠の質が悪い(過眠、多夢)
・心肺機能に対して肝腎機能が低い
・貧血気味(爪割れ、肌荒れ)
たくさんありますね!アスリートなので元気と思われがちですが、実はからだがめちゃくちゃ弱いです。
特に昨年は免疫力がかなり落ちて、風邪・胃腸炎・膀胱炎に何度もかかり、試合で力を出すことができませんでした。
あとは、ひどい時は14時間ぐらい眠ってしまったり、ハードな練習をすると筋肉より先に内臓に疲労がきてしまったり、というからだ弱い系アスリートなのです。
問題は同時に解決できる
佐藤さんからもらった、必要な栄養素に関するアドバイスは以下のとおりです。
・たんぱく質を多く
・鉄分
・水分(1日2リットル)
・発酵食品+食物繊維
・朝食にタンパク質
・ビタミンD
これだけ見るとたくさんあるように見えますが、佐藤さんと話していて思ったのは「1つの問題に1つの策ではなくて、同時進行で解決できるものが多くある」ということでした。
逆に言えば、1つの原因から連鎖的に引き起こした問題も多かった、というのが自分の中では大きな発見でした。
例えば、不足しているタンパク質の量を改善すると、筋肉だけでなく血液も作られます。貧血が改善されたり、ホルモンにも作用するので肌荒れなども良くなります。
さらに、朝にタンパク質を摂ればセロトニンとメラトニンが出ます。日中は活動的になり、夜になると眠くなり睡眠も改善されます。
あとは「そのタンパク質を何で摂るか」を意識できれば、ほぼクリア。赤身には鉄分があり、魚で摂ればビタミンDで免疫が上がります。発酵食品で摂れば腸内に作用して、これもまた睡眠に深く関わるそうです。
3度の食事は3度のチャンス
佐藤さんと話していると「食事って1日3回しかないやん。寝坊して欠食なんかしてる場合か!」と本気で思いました。
そして、もう一つ感じたのは、競技も食事も睡眠も「リズム」が大事なんだということです。当たり前のことをリズムよくこなせる選手は強いです。体調に問題がある時は、そこに原因があるのではなく、全体のリズムを崩しているのだと思いました。
今、コロナの影響で練習が満足にできる状態ではありませんが、こんな時こそ食事を見直して、からだの基礎能力を底上げする。いかに良いコンディションで自粛明けを迎えられるかで、周りの選手に差をつけよう!と佐藤さんと約束しました。
大会がないと目標も見失いがちですが、こうして前向きに頑張る目標ができたのは素晴らしいことですし、その機会を与えてくれた小田さんと佐藤さんには感謝しかありません。
おわりに
というわけで、これからまずは3ヶ月間、アドバイスをもとに食事の見直しをしていきます。自粛で外食をすることがないので、この間に自炊スキルも底上げですね。どんな変化が現れるのか、自分でも楽しみです!
長くなりましたが、読んでくださりありがとうございました。
■プロフィール
石塚 晴子(いしづか はるこ)
1997年生まれ。400m、400mハードル選手。400mハードルの自己ベストは日本歴代7位であり、U-20日本記録の56秒75、400mの自己ベストは日本学生歴代3位の53秒22。2015年の北京世界選手権では日本代表。ローソン所属。
Twitter:@harekooo
食事指導協力:lerepas
instagram:@lerepassports