運動しすぎは免疫機能を下げる？免疫力を高める食事・3つのポイント
こんにちは！管理栄養士の佐藤彩香です。現在、新型コロナウイルスが流行していますね。
オリンピックの1年延期が決まり、選手をはじめ、監督、コーチが一丸となってこの1年間という時間をどう使うか、計画を立て直しているところかと思います。また、国内スポーツのリーグについても、春の試合が中止・延期となっています。
アスリートでなくても季節柄、4月は環境の変化が大きいのではないでしょうか。そうすると自然とからだはストレスを感じ、免疫が下がりやすくなります。
手洗い・うがい・マスクの着用など、できることはたくさんありますが、食事でしっかり免疫を上げてからだを守っていきましょう。
運動を頑張りすぎると免疫が下がる!?
強度の高いトレーニングを続けていると、からだを鍛えているようで、実は風邪を引きやすい状態になっていきます。「適度な運動」は免疫機能を上げることが知られていますが、「激しい運動」は逆に免疫機能を下げてしまうのです。からだにとって大きなストレスを与えてしまうということですね。
過度な運動をしたあとや、レースや試合などで疲労困憊したあとは、よく「熱がでました」と選手から連絡をもらいます。
だからこそ、アスリートや運動が大好きな方、からだづくりなどで強度が高いトレーニングをする方にとって、免疫機能が下がらないようにキープすることと、ウイルスや細菌に感染しないように防御することが大切となってきます。
では、そんな方に役立つ食事のポイントを早速見ていきましょう。
免疫を上げる食事のポイント
①ビタミンDを積極的に摂ること
免疫機能には、病原体の侵入をいち早く察知して対応してくれるものと、前回の経験を活かして病原体を攻撃してくれるものがあります。
ビタミンDは、前者の時に活躍する「マクロファージ」という免疫機能を活性化してくれることがわかってきています。マクロファージは、病原体や老廃物を食べて掃除する役割を担っています。
さらに、ビタミンDは細菌やウイルスに強い物質を作り出すことで、からだのバリア機能を高めることがわかってきました。そのため、ビタミンDを十分に摂取することで、免疫力を上げることができます。
またビタミンDは、太陽の光を浴びると皮膚合成することのできる栄養素。そのため、常にUVカットの日焼け止めを塗っている女性の方や、室内スポーツなどをさせている方は、より意識してほしいです。外出しにくい場合には、窓際からでもいいので太陽の光を浴びましょう。
ビタミンDが多い食品は魚やキノコ類です。キノコ類で必要量を満たすのはなかなか難しいと思いますので、魚を食べる習慣をつけていきましょう。なかなか魚が食べる習慣がない方は、鯖缶などの缶詰や、しらすをご飯にかけて食べることからはじめていきましょう。
②色鮮やかな野菜や果物を摂ること
多くのビタミン・ミネラルを含んでいる緑黄色野菜や果物。ビタミンの中でも、特にビタミンA・C・Eは単独でも効果を発揮しますが、組み合わせると相互に作用し、効果を高め合ってくれます。緑黄色野菜や果物には、これらのビタミンが多く入っています。
ぜひビタミンACE（エース）と覚えてください！上手に摂っていくことで、免疫力の強化につながります。緑黄色野菜や果物を意識すると、食卓も鮮やかになります。
また調理方法ですが、ビタミンA、Eは脂溶性のため、油と仲良しです。しかしビタミンCは、水溶性ビタミンで油を合わせて加熱調理などをしてしまうと、壊れやすい栄養素です。
よく「生で食べるのと加熱調理で食べるのどちらがいいですか？」と聞かれますが、どの栄養素も必要なため、1日を通してどちらの調理方法のものも食べていけるといいです。
③腸をキレイにすること
免疫力を担っている細胞の多くは腸に存在します。腸内環境を整えておくことは、免疫力アップのためにとても大切です。では、ポイントをみていきましょう。
・しっかり水分を摂る
こまめに摂る習慣をつけましょう。ジュースなどではなく、できればお水やお茶などがおすすめです。今の時期は外出も減って、無意識のうちに水分を摂らない傾向になりやすいので、注意していきましょう。
・発酵食品を摂る
良い菌をたくさんもつ発酵食品。漬物やキムチ、ヨーグルト、チーズ、味噌などの発酵食品を日々の食生活で摂っていきましょう。腸が活性化されていきます。
・食物繊維を摂る
発酵食品を摂ったら、その菌をしっかり増やしていけるように、エサとなる食物繊維をセットで摂っていきましょう。野菜や果物、海藻類、キノコ類に多く入っています。
以上、大事なポイントをお伝えさせて頂きました。ぜひ意識してみてください。
食事は毎日の積み重ねなので、できることをコツコツやってみてくださいね！
■プロフィール
佐藤 彩香（さとう あやか）
企業や保育園で栄養カウンセリング、献立作成、栄養計算、店舗運営を経験し、その後独立。健康を土台とした実践型の栄養サポートを行い、プロアスリート～スポーツキッズ、ダイエット希望の方など累計5,000人を超える人々と関わる。現在はパーソナル栄養サポート、セミナー講師、ライター活動、レシピ開発なども行いながら、「あなたのかかりつけ栄養士」として活動している。