秋元才加さんが掴んだハリウッド映画出演の夢。日々のトレーニングが下地に
AKB48でのアイドル時代から、凛とした雰囲気で他のメンバーと一線を画していた秋元才加さん。卒業後の今は女優として活躍の場を広げ、2020年8月14日公開の映画『山猫は眠らない8 暗殺者の終幕』でハリウッドデビューを果たしました。
本格アクションをこなす役柄を掴んだ背景には、幼い頃からのスポーツ経験と日々のトレーニングが。多くの有名アスリートのプロデュースを手がけてきた、しげるちゃんの対談シリーズ第四弾です。
左：秋元才加さん
女優・タレント。AKB48の2期生としてデビュー。2013年にAKB48を卒業後は、女優としてドラマや舞台に活躍の場を広げている。小学生から高校生まで続けたバスケットボールの経験を生かし、スポーツ番組への出演も多い。
右：しげるちゃん
商品プロデューサー/インタビュアーとして活躍。CS局の旅番組にも多数出演、海外のファッション・流行などをナビゲートしている。元男子サッカー日本代表・長谷部誠選手の著書『心を整える。』のプロデュースも手がけた。
スポーツは小さい頃からの習慣。やっとたどり着いた自分流のボディメイク
初めまして～。自粛期間に、才加ちゃんのtwitterでのダンス動画とかinstagramを見てたので、お会いできて嬉しい！
私も嬉しいです！しげるちゃんのブログも拝見してます！
ほんと～!? 嬉しい、ありがとう！それにしてもスタイルいいよね～。昔から何かスポーツとかしていたの？
小学校からバスケットボールをやってました。結構からだが大きくて、小学5年生から身長が165cmあったんですよ！だから高校1年までずっとセンターでした。あとは合気道も。
合気道は自分から手を出せないんですよね。空手のように型があるわけではなく、相手の力を利用して、かわしつつ技をかけるというのが特徴です。
今回のアクションシーンのベースは、武道にあったのかしら？才加ちゃんはAKBに入る前からダンスとかはしてたの？
全然！歌もダンスも素人だったのに、オーディションに受かって1ヶ月後にはライブがありました（笑）。レッスンの日は、朝の10時から夜の22時まで踊り続けるときもありましたね。
体重も減りましたね。そう考えると、小さい頃から常に運動している感覚です。
今の体型をみていると、卒業してからも運動は続けてるように感じるけど？
もともと太りやすい体質というのもあって、卒業後は自分のからだにもっと向き合いたいなと思って、トレーニングをやっています。でも、なかなか自分に合うものが見つからなかったですね。結構筋肉がつきやすい体質みたいで、マシンを使うようなものや、サーキットトレーニングをしたら、硬そうな見た目になってしまったので、少し理想と違うかなって。
今のからだは、どんなトレーニング方法で仕上がってきてるのかしら？
理想は芯がしっかりあって、ぶれないけどしなやかなからだ。今は二人の先生を掛け持ちして、ピラティスや整体の要素をいれたアプローチをしています。からだや筋肉の動きを学びながらトレーニングをするのが楽しいですね！
突然のチャンスを掴んだ、日々のトレーニング
8月には、ハリウッドでも人気シリーズの最新作『山猫は眠らない8 暗殺者の終幕』の日本公開が控えてるよね。本格的なアクションシーンが見どころの1つだけど、アクションの経験はあったの？
ほとんど初挑戦でした。英語もアクションもやらなくちゃと思いながら、なかなか取り組めていなかったところに、「日本人キャストを探しているので、オーディションに出ませんか？」と急にお話をいただいたので……。
しかも本国には行けなかったので、ビデオオーディションだけだったんです。英語のセリフを話したり、キックやパンチのアクションをしたりする動画を撮影して、そのデータを送って結果を待つという形式でした。
今までも何回かお話はありましたね。でも、結局現地の日本人に決まってしまったりと、ご縁がないまま……。候補には出していただけているんだな、と思ってはいたんですけど、今回はそのチャンスを掴むことができてよかったです。
最初はライフルを構えるシーンが多いけど、徐々に本格的なアクションシーンが増えていくのよね。実際の撮影はどうだった？
3日くらい練習の時間を取ってくださいましたね。主役のチャド・マイケル・コリンズさんと、部活みたいに道場で走って、筋トレや蹴り、パンチの練習をさせてもらいました。なので、撮影には安心して臨めましたね。
いえ、危険なことはさせられないというのが制作側の意向だったので、私ではなくスタントマンが演じている部分もあります。でも、アクションコーディネーターの方が「才加はもっとできるから、もう少し本人にやらせてみよう」と言ってくれて、予定以上に多くやらせてもらえました。
きっと、合気道の経験や日頃のトレーニングが実を結んだんだね。
だといいなと思います。何事も無駄なことはないんだなって実感しました。
今回の映画を経て、理想のからだの価値観は変わった？
そうですね。日本にいると、細くありたいと思いがちだったかも。女優さんもみなさん、細いじゃないですか。自分が大柄だという意識もあって、トレーニングをしていても、なるべくからだを大きくしないようにって考えていました。でも、例えば今回のように10kgくらいの銃を持つシーンで腕が細いと、説得力がないですよね。
たしかに！細腕ではライフルを構えたり、撃ったりはできないね（笑）。
この作品が決まってから、なるべくからだをちょっとデカくするというか、アウターマッスルを意識して、筋肉の筋が見える筋トレに変えました。もともと時代劇の舞台に立たせていただくこともあったので、重い着物を着てもぐらつかない体幹を大事にしていましたが、役に合わせてどちらにも振れるバランスを保っていたいなと思いましたね。
じゃあ、今回の映画の見どころは、そんな才加ちゃんの努力が見えるアクションシーンかしら。
もちろん、そこも見てほしいです！でも、実は今作のポイントは、親子愛なんじゃないかと私は思っています。チャド・マイケル・コリンズさんとトム・ベレンジャーさんが演じる、父と子のストーリーをぜひ見ていただきたいですね。
芯のある女性、芯のあるからだを目指して
芯のあるからだを目指していると言っていたけど、才加ちゃんの心にもしっかりとした芯があるような気がするわ。Twitterやinstagramを見ていても、センシティブなトピックにも意見を寄せているよね。特にLGBTQや人種差別のような、マイノリティーの課題への関心が高いように感じてる。
何かを伝えていきたいという、大それた思いがあるわけではないんです。でも、自分もフィリピンとのハーフとして、子どもながらに感じてきたものも影響しているのかな。小学校からの親友で、FTM*の子がいるんですよ。
*FTM:女性から男性への性別移行を望む人
子供の頃から身近に当事者がいると、その理解もより深まるよね。
フィリピンには、比較的LGBTの方が多いそうです。親戚でご飯を食べに行っても、必ず誰か当事者がいるんです。だから、私にとっては特別なことではなかったんですけど、中には悲しい思いをしてきた人もいると知って驚きました。あくまで「私はこう考える」というのを発信することで、何かのきっかけになれたらいいなとは思います。
才加ちゃんみたいな発言をする人が増えることで、多くの人に『考える』というキッカケづくりにはなっていると思う。そういう姿勢を見ていると、今の才加ちゃんは、自身の個性をのびのび発揮できているってことかしら？
制服を脱いで、自分の個性を知りました（笑）。昔はコンプレックスを隠したい気持ちも強かったし、衣装が決まっているから、大柄な自分も細い子と同じ制服を着ないといけないじゃないですか。今は私の骨格を生かした衣装をスタイリストさんが選んでくださるので、自分に似合うものがわかってきましたね。
今日の衣装もすっごく素敵よね。肩のラインがきれいだわ〜。
はい、スポーツをしている女性のメディアということで、肩を出していこうとスタイリストさんが選んでくれました。肩のラインはほめられるので嬉しいですね。まだまだ理想のからだにはなれていないんですけど、これからもボディメイクが続けていきたいです。
そういう発信を続けていたら、スポーツ関係のお仕事も増えていきそうね。せっかくならプロテインとかプロデュースしちゃえば？（笑）
たしかに。意外と意識的に発信できていないんだなって思いました。もっとSNSも頑張っていこうと思います！
■プロフィール
秋元 才加（あきもと さやか）
女優。2006年AKB48の2期生としてデビューし、チームKのキャプテンも経験。2013年にAKB48を卒業後は女優としてドラマや舞台に活躍の場を広げている。小学生から高校生まで続けたバスケットボールの経験を生かし、スポーツ番組への出演も多い。
instagram：@areasayaka
Twitter：@akimotooo726
しげるちゃん
商品プロデューサー/インタビュアーとして活躍。芸能人やタレント、モデル、スポーツ選手など、様々な業界の著名人との交流が深く、自身がプロデュースするアイテムは、そんな多くの著名人が愛用することで知られ、メディアやSNSでも話題に上がる。また、CS局の旅番組にも多数出演、海外のファッション・流行などをナビゲートしている。
Instagram：@shigeru39
■衣装協力
MSGM（アオイ）
apm MONACO（APM TOKYO 銀座店）
写真撮影：金田 千愛