とりあえずサラダはNG!野菜の栄養素を効率的に摂る食べ方と保存法
こんにちは。管理栄養士の佐藤彩香です。
以前の記事では、たんぱく質を効果的に代謝するにはビタミンが大事というお話をしました。免疫力も高めてくれるビタミンですが、「ビタミンといえば野菜!とりあえずサラダをたくさん食べればOK!」と思っている方は多いのではないでしょうか?
■以前の記事はこちら
野菜は食べ方一つで、ビタミンの吸収率がぐんと変わります。せっかく買ったお野菜の栄養を無駄にしないためにも、効果的な食べ方を覚えましょう。そして、冷蔵庫&冷凍庫にストックしておくための、正しい保存方法もお伝えします。
ビタミンには水溶性と脂溶性がある
水溶性ビタミンは、体液に溶け込んで、余分なものは尿として排出されます。そのため、体内の量が多くなりすぎることはなく、過剰になりにくいビタミンです。
一方、脂溶性ビタミンは、水に溶けないビタミンです。そのため、摂りすぎると過剰症を起こすことがあります。
水溶性ビタミンであれば、できれば加熱をせずに、そのまま食べられるとベストです。
脂溶性ビタミンは、少し油と組み合わせて摂ることが吸収率をあげるポイントになります。
水溶性のビタミン
ビタミンB群(B1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン)は、一言でいうと代謝に関わるビタミンです。糖質や脂質、たんぱく質などのエネルギーに変わるものを代謝してくれる、からだにとっては欠かせない栄養素です。
エネルギー効率を高めていきたい方はもちろん、アクティブに動いている方には積極的に摂っていただきたいです。
ビタミンCは、抗酸化力が高いビタミンです。からだがストレスと感じるもの(紫外線や過度な運動、寒さ、熱さなども含む)に対抗してくれる栄養素です。
■水溶性ビタミンが多く含まれる食材
ビタミンB群:穀類・肉・魚・卵・大豆製品など
ビタミンC:果物(特にかんきつ類や苺)・野菜・いも類など
脂溶性のビタミン
ビタミンA(βカロテン)は、抗酸化力に長けており、皮膚や粘膜を健全な状態に保ったり、夜間の視力維持を助けたりする働きをします。
ビタミンDは、丈夫な骨を作るために必要な栄養素で、免疫力のアップなどにも欠かせない栄養素です。
ビタミンEは、抗酸化力に優れ、体内の細胞膜の酸化による老化などを防ぎ、生活習慣病や老化と関連する疾患を予防します。
ビタミンKは、出血した時に血液を固める動きを活性化します。また、骨の維持にも不可欠です。
■脂溶性ビタミンが多く含まれる食材
ビタミンA(βカロテン):豚レバー・鶏レバー・ウナギ・卵などの動物性食品や緑黄色野菜
ビタミンD:魚・干ししいたけなどのキノコ類・卵など
ビタミンE:アーモンドなどのナッツ類・植物油・うなぎ・たらこをはじめとした魚介類や、アボカド、緑黄色野菜など
ビタミンK:納豆(非常に多い)・緑黄色野菜など
水溶性ビタミンを含む食材の食べ方
水溶性ビタミンは水に溶けてしまうため、下茹でするとビタミンの多くがゆで汁に溶けてしまいます。そのため、スープなどにして、ゆで汁もスープとして飲むようにするのがおすすめです。
ただ、下茹でしてから調理する場合もあると思うので、その場合は、茹でるのではなく電子レンジで加熱したり、蒸したりするのがおすすめです。
脂溶性ビタミンを含む食材の食べ方
油と一緒に食べることで吸収効率がアップします。そのため、あえて油で炒める調理法をおすすめします。
炒める以外にも、ドレッシングの油と一緒に摂ったり、マリネ液につけることで、マリネに含まれた油と一緒に取り入れることができます。
保存方法
現在、新型コロナウイルスの影響で、なかなかスーパーに買い物にいけない場合もありますよね。その場合、野菜や果物などの買ってきた食材の保存方法を知っておくとよいです。基本的な特徴をお伝えします。
常温保存に向いている食材(冷やさないほうが良い)
熟していない果物(バナナやアボカドなど)は、直射日光が当たらず、湿気の少ない場所に保存するのがおすすめです。気温は15度~25度ほどに保ちましょう。
白菜、長ネギ、玉ねぎ、根菜類、パプリカやピーマンなどは、冷暗所のような常温の中でもよりひんやりとした場所(1度~14度)がおすすめです。乾燥を防ぐためにも、新聞紙にくるむなどの工夫があると、なおよいですね。
冷蔵保存にむいている食材
■冷蔵室(0~5度)
多くの食品はこちらで保存しておけばOKです!代表的なものは、葉物野菜や茎野菜やきのこなど。
また、豆腐や納豆、乳製品や卵もこちらがおすすめです。ほとんどの野菜類などは、ペーパータオルや保存袋に入れて、乾燥を防ぎましょう。
芯があるキャベツなどの野菜は、芯をくり抜き、水で濡らしたペーパータオルを丸めてつめておくと良いです。
また、葉物野菜や茎野菜は、保存袋に入れて、立てて保存するとより長持ちします。カットしたものは必ずラップをしましょう。
■野菜室(5~10度)
冷蔵室よりやや温度が高めに設定されています。夏に旬を迎えるトマトやきゅうり、そして果物の保存に向いています。
冷凍保存に向いている食材
■冷凍室(-18度以下)
ほぼなんでも保存OK。劣化も防げるため、長期保存には向いています。
芋類や葉物は、加熱してから保存することが望ましいです。殺菌や変色防止になり、美味しく食べることができます。
水分の少ない根菜類などの野菜は、そのまま冷凍しても可能です。
肉や魚は、軽く氷水にくぐらせておくか、下味をつけておくと、鮮度が保ちやすくなります。
ぜひ、調理方法や保存方法を知って、美味しく食事をしてもらえたらと思います!