からだに必須・オメガ3系の油を摂ろう!効果や摂取方法をご紹介
こんにちは。管理栄養士の佐藤彩香です。
最近話題のオメガ3。からだにいいと言われ、最近は摂っている方が多くなり始めました。
このオメガ3は、管理栄養士としても積極的におすすめしていきたい油です。ひと時のブームで終わるのではなく、毎日の習慣にしていただくと、からだにどんないいことが起こりやすくなるのかお伝えします。
からだに必須!オメガ3系の油を摂るべき理由
オメガ3系の油の効果について知っておきましょう。
オメガ3の油は、不飽和脂肪酸の1つで、低い温度でも溶け、室温では液体の油です。
エネルギー源でもあり、からだの各種細胞膜の重要な構成成分です。不飽和脂肪酸には、一価不飽和脂肪酸(オメガ9系)、多価不飽和脂肪酸(オメガ6系、オメガ3系)と分けることができます。
オメガ9系は、オリーブオイル、アルガンオイルなど
オメガ6系は、サラダ油、コーン油、ごま油など
オメガ3系は、亜麻仁油、エゴマ油、魚油など
が具体的な油です。
中でも、からだで合成できないオメガ3とオメガ6は必須脂肪酸です。からだで合成できないのならしっかり食事で摂っていきたいですね。
またその2つは、体内で対抗するように働きます。
オメガ3は、血液を固まりにくくしたり、炎症を抑えたりする働きがあります。逆に、オメガ6は、血液を凝固させたり、体内の炎症を促進したりする働きがあります。
この2つの脂肪酸のバランスが崩れて、一方が過剰になると、サラサラになりすぎて、出血が止まらなくなったり、逆に血が固まりやすくなり、心筋梗塞などのリスクが高まったりするのです。
ただ比較的、オメガ6は意識をしなくても摂りやすい油にですが、オメガ3は、生活で意識しないと摂るのがなかなか難しいです。オメガ6の過剰によって炎症反応を促進させてしまい、アレルギーなども多くなっているのではないかというのも示唆されています。
オメガ3は近年、炎症作用の緩和や、心疾患などのリスクの低下、中性脂肪の合成を抑える効果、代謝を上げる効果も期待できると研究が進んでいます。
オメガ3系の油の種類や選び方
では、上記で説明したオメガ3系の油の種類を細かくみていきましょう。
亜麻仁油・エゴマ油(シソ油)
亜麻仁油・エゴマ油は、栄養成分に大きな違いはありません。ただ抽出元が違います。亜麻仁油は、アマ科の植物の種子から抽出された油のことです。エゴマ油とはシソ科 の1種であるエゴマから抽出された油のことです。味はそれぞれ独特の風味があり、人それぞれ好き嫌いが分かれると思います。
入手は比較的しやすく、今ではスーパーでも売られています。価格は、ピンキリです。
ただ選ぶポイントとして、低温圧搾法(コールドプレス法)でゆっくり丁寧に搾油されているものを選びましょう。原材料を高温にして強い圧力をかけたり、化学溶剤を使用すれば、短時間で大量の油を抽出することができますが、その方法では、亜麻仁油が本来持っている栄養素が壊されてしまいます。
また味をよくするために精製してあるものもありますが、できれば未精製がよいです。そして、亜麻仁油は非常に酸化しやすいオイルです。そのため、なるべく光を通さない遮光容器に入ったものを選びましょう。
その点を考慮していくと値段が少し高くなってきやすいと思います。
魚油(フィッシュオイル)
青魚に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)は、オメガ3の油に分類されます。青魚ですと、鯖や秋刀魚や鯵や鰯などの青魚が代表的です。
魚はスーパーで購入可能ですので、比較的入手は楽ですね。また魚油をサプリメントにしているものもあります。値段はピンキリです。
ただ、内容をしっかり見て選ぶようにしましょう。他の種類の油の方が含有量が高めとなっている場合もありますので、裏面をしっかり見て購入していきましょう。また入れ物も出来ればなるべく光を通さない遮光容器に入ったものを選びましょう。
オメガ3系の油のとり方
どの油を摂ればいい?
上記の亜麻仁油やえごま油、魚油のどれを摂ればいいのか、という質問が多いですが、続けられるもので続けるのが1番だと思います。ただ、亜麻仁油やえごま油はからだの中で一度変換が必要です。魚油であるEPA、DHAの方がからだへそのまま吸収されるので、おすすめです。
適正な摂取量は1日何g?
オメガ3脂肪酸は、毎日摂取することが大切です。
1日に必要な量は、成人女性が1.6〜2.0g/日、成人男性が2.0〜2.4g/日と「食事摂取基準」(厚生労働省)で示されています。
女性 | 男性 | |
18〜29歳 | 1.6g/日 | 2.0g/日 |
30〜49歳 | 1.6g/日 | 2.1g/日 |
50〜69歳 | 2.0g/日 | 2.4g/日 |
70歳以上 | 1.9g/日 | 2.2g/日 |
妊婦/授乳婦 | 1.8g/日 | – |
※「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会報告書」(厚生労働省)より
亜麻仁油やエゴマ油でしたら、小さじ1杯必要です。
また魚油で摂りたい場合は、厚生労働省による食事摂取基準でDHAとEPAを合わせて1,000mg/日以上摂ることが望ましいとされています。
1,000mgとるには…
あじ 150g 中1尾(頭・骨付き)
いわし 100g 中1尾
さば 100g 1切れ
さんま 150g 中1尾
が必要です。
たくさん摂ればいいというわけでなく、必要量を毎日摂ることが大切になってきますので意識しましょう。
そのまま食べるのがおすすめ
オメガ3の摂り方ですが、酸化しやすいので、加熱をしてしまうのはおすすめしていません。そのまま召し上がりましょう。魚であれば加熱せずにお刺身で食べるのが理想です。
亜麻仁油やエゴマ油も、サラダにかけたり、納豆やヨーグルトにかけたりして摂っている方が多いです。加熱油には使用しないようにしてくださいね。
まとめ
オメガ3がからだにいい!これは聞いたことがあったも加熱して食べてしまったり、量をたくさん摂ってしまうのはあまりいいことではないですね。
しっかり特徴を理解して有効にオメガ3を摂っていきましょう。
■プロフィール
佐藤 彩香(さとう あやか)
企業や保育園で栄養カウンセリング、献立作成、栄養計算、店舗運営を経験し、その後独立。健康を土台とした実践型の栄養サポートを行い、プロアスリート~スポーツキッズ、ダイエット希望の方など累計5,000人を超える人々と関わる。現在はパーソナル栄養サポート、セミナー講師、ライター活動、レシピ開発なども行いながら、「あなたのかかりつけ栄養士」として活動している。