タンパク質吸収率をアップさせる!おすすめの食材と食べ合わせ
タンパク質は、美容・健康に欠かせない大切な栄養素です。運動習慣のある女性にとっては、余分な糖質や脂質をカットして効率よくタンパク質を吸収できるプロテインが欠かせませんよね。しかし、運動後のプロテインだけではなく、日々の食事でもタンパク質を食べたい。欲を言えば、タンパク質の吸収率がアップするような食べ合わせだと嬉しい…。
そこで!今回は管理栄養士の鈴木絢子さんに、タンパク質と相性抜群の食材について教えていただきました。
タンパク質の役割
主な特徴として、筋肉・骨・血液など体を構成する主成分となるタンパク質。
酵素やホルモンなどの体の機能を調整する成分になる、エネルギー源になるなどの効果があり、たくさんのアミノ酸で構成されています。
タンパク質が不足すると、筋肉がつきにくい、体力や免疫力の低下、貧血、成長障害(成長期の子どもの場合)などになる可能性があります。
運動習慣のある女性が、1日に必要なタンパク質量は?
筋肉づくりに有効に活用されるタンパク質は、体重×1.2~1.8g程度(体重70kgの人は84g~126g)といわれています。
ちなみに…
持久系のスポーツをしている場合は、1.3g前後/体重1㎏/日
筋力・瞬発系のスポーツをしている場合は、1.6g前後/体重1kg/日が目安とされています。
体タンパク質合成に利用されるタンパク質の上限は、1日あたり約2g/体重1kg程度ですので、たくさん摂取すればいいというものではありません。過剰摂取によって、体脂肪の増加や肝臓・腎臓の負担が大きくなることもあるので、摂りすぎには注意しましょう。
食材別・動物性タンパク質と相性抜群の食べ合わせ
食品からからだに必要なタンパク質を摂取しようとする場合に大切なのが、単体で食べるのではなくビタミン類を一緒に摂ることです。
食事から摂るタンパク質は、体内でアミノ酸に分解されて必要なかたちで再合成されます。そこで、一部のアミノ酸を体内で作るのに必要なのがビタミンB群です。
中でも、ビタミンB6はタンパク質の代謝と深くかかわっているため、タンパク質をたくさん摂るほど、ビタミンB6の必要量も増えます。
市販のプロテインには、予めビタミンB群が添加されているものが多いですが、食事の場合は、ビタミンB群も一緒に取る必要があります。
今回は、動物性タンパク質、植物性タンパク質別に、お勧めの食べ合わせをご紹介します。
① 肉(牛、豚、鶏)+ニンニク
どんな肉料理にも合うのが、ニンニクです。
元来、滋養強壮や健康維持に嬉しい食材としても親しまれているニンニクは、ビタミンB6が多い野菜の1つです。炒め物やすり下ろして調味液として一緒に食べましょう。
またニンニクといえば、女性の方が気にするのが「におい」ですが、茶に含まれるカテキンが、ニンニクの臭気の分解を促すと言われています。食事中や食後に紅茶や緑茶を飲むと、においの軽減につながるでしょう。
② カブの葉
カブの葉には、βカロテンが豊富に含まれていますので、肉と一緒に炒めたり軽く湯がいてお浸しにしたりして、副菜として食べるといいでしょう。
また、白い根は消化酵素のアミラーゼを含んでおり、整腸効果が期待できます。例えば、葉は肉と炒めて、根はみそ汁、サラダ、漬物にして食卓に添えることでカブ1つを余すところなく活用できるでしょう。
③ 魚介類+アボカド
魚介類自体には、そもそもビタミンB6の含有量が多く、中でもまぐろ、かつおは特に多く含んでいます。おすすめの食べ合わせはアボカドです。定番のマグロアボカドは、ビタミンB6が多い食材同士で相性抜群。
魚介類+アボカドでサラダにすれば、油分を加熱することなく摂取できるので、夜遅い時間の食事でも胃もたれしにくく、ヘルシーです。
④ 卵+緑黄色野菜
卵は、必須アミノ酸がバランスよく含まれたタンパク質食材です。
ビタミン類も含んでいますので、「完全栄養食」と言われることも。そんな卵と一緒に食べたいのが、緑黄色野菜です。卵には含まれないビタミンCを野菜から補うことで、さらに栄養価がアップ。炒め物、サラダ、スープなどにして一緒に食べるようにしましょう。
食材別・植物性タンパク質と相性抜群の食べ合わせ
納豆+ネギ
納豆とよく食べられる野菜の1つに、ねぎがあります。
納豆は、疲労回復やダイエットにおすすめの食材として注目されており、ビタミンB群が豊富に含まれています。大豆そのものと比べると、その含有量はビタミンの種類によって4~10倍といわれています。
一方、ネギに含まれる香りや辛味の成分である硫化アリルは、納豆のビタミンB1の吸収率を高めると言われています。加えて、抗酸化作用や血液中のコレステロール値を下げる働きが期待できますので、良い相乗効果があると言えるでしょう。
②豆腐+ワカメ
大豆から作られる豆腐は、ビタミン、ミネラルを豊富に含み、大豆をそのまま食べるより、体内に吸収されやすいと言われています。食べ合わせでおすすめなのがワカメ。
豆腐に含まれるサポニンは腸内環境を整える良い効果が期待できますが、採りすぎると体内のヨードも排泄するという欠点があります。ヨードは、糖の代謝や蛋白質の合成といったエネルギー代謝を行うために分泌される甲状腺ホルモン、チロキシンの素となっています。
※サポニンはあくまで「採りすぎる」とよくないだけであり、食べ合わせとして適度な量を摂取する分には問題ありません。
そこでおすすめなのがワカメです。
ワカメにはヨードが豊富に含まれていますので、サポニンの取り過ぎによる弊害を防いでくれるでしょう。おすすめの食べ方は、サラダ、味噌汁、スープ等です。
タンパク質は私たちのからだにとって大切な栄養素。今回ご紹介した食べ合わせは、明日から実践しやすい市販食材ばかりですので、外食時も、意識してメニューを選んでみましょう!
【記事監修】
管理栄養士&ライター 鈴木絢子
ビジネスパーソン向けの健康コラムやレシピ開発に携わっている。