『バチェラー・ジャパン』シーズン2(以下、バチェラー)に、「私は他の女とはスペックが違う」という衝撃的なセリフとともに表れたモデルの若尾綾香さん。「ライバルはいない」と言い放つ自信の裏側には人並外れたストイックさがあり、時折見せる女の子らしい一面とのギャップに心を掴まれた視聴者も多かったはず。どうしてそこまで自分に自信が持てるのでしょうか。ジムでのワークアウトシーンに密着して、お話を伺いました。
誰とも比べる必要がないくらいに努力する
私もバチェラーで“若様”のファンになった一人です!
ありがとうございます!でも、私のこと好きっていう人は変わっている人が多いんですよね(笑)
「みなさん、トータルバランスよろしくて?」の挑発のセリフが最高でした。(水着を着る場面でスタイルの話題から)しかも、海や温泉シーンでその言葉通り完璧なプロポーションを披露されるので、もう何も言えない。
若尾さんの不思議なところって、自分への自信は口にするけど、特に誰かを攻撃することはないし、マウント取られて嫌な気持ちになる言い方でもないところなんですよね。
わたし自身、自分と他の誰かと比べるという考えがまるでないんですよ。誰かに勝ちたいという気持ちもないので、マウントを取る必要性もなくて。
いえ、山梨から東京に出てきたときは劣等感ばかり感じてました。大学で出会った女の子たちは、情報番組のレポーターや読者モデルとして活躍している、華やかな子たちばかりだったので、自分は何ができるんだろうって。小さい頃から何でも無難にこなせるけど突出したものがない、典型的な器用貧乏だったんですよね。
自信を持てるようになったのはいつからだったのでしょう?
ミスユニバースにエントリーして、レッスンを受け始めてからですね。人と比べるのではなく、自分のカラーを出しなさいと言われて、就活でするような自己分析を徹底的にしたんです。自分の嫌いな部分にも、蓋をしないで向き合って克服することができるようになりました。
ミスコンは女同士の戦いというイメージがありますけど、その裏では自分に向き合う時間が多いんですね。
スピーチの練習でも、難しい言葉で自分を大きく見せようとせずに、1対1で相手と話すようにと教えられます。目の前の相手に自分の気持ちを伝えるとき、周囲からどう見られてるかなんて気にしないですよね。その感覚と同じで、「こんなこと言ったら周りにどう思われるんだろう」みたいな悩み方は普段でも全くしないです。
それがバチェラーで見せた、自信たっぷりの振る舞いにつながっているんですね。
他の女性の誰とも比較にならないくらい、私は自分の努力量に自信をもっているので、バチェラーにも他の19人と私を比べないでほしかったんです。
体重計には乗らない。数値に一喜一憂しないのが継続のコツ
本格的に筋トレを取り入れたのも、ミスユニバースがきっかけだとか。
はい、それまでは痩せるために毎日10㎞走ってみたり、キャベツだけ、豆腐だけ、みたいな食事もしていたんです。確かに見た目は細かったけど、がりがりだし魅力がない体つきでした。
ミスユニバースのレッスンでは女性のまるみと筋肉の調和がうまく取れた美しい女性になるトレーニングを教わりました。今は週2回で筋トレ、他の曜日はホットヨガに通ってます。
そのバランスを見つけるまでは時間もかかりましたか?
有酸素を多くしたり、トレーニングを週3回にしたときもありましたが、あまり納得いく体つきではなかったですね。太くなるわけではないですが、何となく肉質が硬くなるような。ホットヨガでからだの伸びを感じて、しなやかな体をつくる時間も取り入れるようにしたらしっくりきました。
出るとこ出てて、引き締まるべきところは細くなっている、っていう女性らしいからだですね。腹筋も割れすぎていない、縦線が入るくらいが理想です。体重計には乗らないので、すべて見た目で判断します。
もう2年くらい乗ってないんじゃないかな。バチェラーの応募のときに体重の記載が必要だったので、それ以来ですね。
数値には一喜一憂しないというのも、若様らしいですね。
トレーニングに密着
若尾さんが通うのは、渋谷のトータル・ワークアウト。今回は撮影許可をいただき、トレーニングタイムに密着させていただきました。
担当トレーナーの田部井さん。若尾さんを担当して半年ほど。
とにかくストイックですね。食べたいものを食べるため、というのがモチベーションのようです。
トレーニング開始!
まずはこの特別なランニングマシンを使ったトレーニングから。
少しぎこちなくも見えるこのフォームで、トレーニング前に全身の神経に刺激を与えるのだそう。簡単そうに見えて、このフォームで安定して走るためにもある程度の筋力が必要。手の振り、肩甲骨、腸腰筋の使い方など、細かい指導があります。
速度、傾斜を変えて何本か走ると、若尾さんの額に汗がにじみ始めました。
続いて、体幹、持久力、安定性を高めるトレーニング。
TRXというこの器具は、サスペンションを使ってあえて不安定な体制を作ることで体幹の強化を狙うもの。少し上体がふらつきそうになりながらも、しっかりと姿勢をキープしています。
ここから部位別のトレーニングメニューが続きます。
バランスよく全身を鍛えてぴったり1時間。自分を追い込む姿に、こちらもモチベーションをもらいました。
理想におしつぶされないで
1時間みっちりですね。鍛えるメニューは日によって違うんですか?
撮影前は、二の腕や胸、お腹周りなどの希望を伝えるときもありますが、その日の会話からトレーナーさんがメニューを調整してくれるときもあります。
ほぼしてないですね。撮影前は節制しますけど、日によっては2人前食べるときもありますよ。パスタもパンも食べますし、白米も大好きでよくお替りしちゃう。寝る前にアイス食べたくなったら食べますね。
ストレスが一番太りやすいと思うんですよね。段々ハッピーじゃない状態が続いていくと、攻撃的にもなる。それって恋愛も同じだと思っていて、どこかで無理したり、相手に期待するものが大きいと、不満が爆発するじゃないですか。ボディメイクも恋愛も、本来は自分がハッピーでいられるためのものだと思うので、我慢しないのがモットーです。
自分の理想に縛られてしまって、ダイエットに苦しくなってしまう人も多いと思います。そんな人に若尾さんが伝えてあげたいことはなんですか?
他人と比べないことです。あの人みたいになりたいってよくみんな言いますけど、それって無理じゃないですか。誰かの美容法を取り入れるというのもいいですけど、それが自分に合うか合わないかは見極めないといけない。誰かを憧れにしてたら、人生の主役が他人になっちゃいますよ。そんなの自分がかわいそう。
バチェラーでは「私の物語のためにありがとう」という衝撃的なセリフもありました。あれは若尾さんの生き方を象徴するセリフだったんですね。
はい、狙った言葉ではなく、本心です。自分の物語をみんな生きるべきだと思うので。
若尾さんのトレーニングのモチベーションってなんですか?
よく聞かれるんですけどね、なんなんだろう。でもきれいでいて損することないですよね。究極は、将来きれいなお母さんになりたいのかも。もうトレーニングがない人生なんて考えられないんです。私の毎日に欠かせないものですね。
皆さん、トータルバランスよろしくて?
バチェラーでは強気なキャラクターで個性を放っていた若尾さんですが、実際にお会いすると女性らしい柔らかな雰囲気が印象的でした。どんな話もにこやかに、そして素直に話してくださる姿に、芯の強さが表れます。トレーニングの話になると一層声に力が入り、ジムでの表情とその取り組み方にはアスリート性すら感じるほど。
「自分に正直に生きたい」「自信を持ちたい」それを叶えてくれるのは紛れもなく、努力の量。ワークアウト女子・若尾綾香さんの言葉が、私たちの背中を今日も押してくれます。