そこそこ登山女子の登山クエスト⑤雲取山×OSPLEYのザック
こんにちは!高島麻利央です。
秋です!紅葉シーズンです。変わりゆく山の色合いを楽しみながら登るのも、登山の醍醐味のひとつですね。同時に気を付けなければならないのが防寒。登り始めは太陽が出ていて暑くても、山頂ではぐっと冷え込みます。
防寒用のウエアを十分に持って登らねばならず、否が応でも荷物は増えます。となると欲しいのは、荷物がたくさん入るザック(リュック)です。前回と同様、登山ショップに通う日々が始まりました。
前回の記事はこちら
目次
好みのカラーだけではベストな選択はできない
ザックを購入するにあたって、今回決めていたポイントは3つ。
①人と被りにくい目立つカラー
②サイズは30~40リットル(日帰り~山小屋1泊の荷物)
③肩が痛くならない
この3点を念頭に、いくつか登山ショップを見て回って分かったのは「並んでいる商品はほぼ同じ」だということ。もちろん、アウトレット品や型落ちモデルを置いてある店もありますが、最前列に並んでいるのはメジャーなブランドのカラー数種類。グレゴリー、ミレー、ドイターなどが中心です。
その中で、ひと際目を引く黄金色のザックがありました。それはミレーのサースフェー。一目惚れでした。これだったら山の中で目立つし、ウエアとも合うだろうな・・・と妄想は膨らみます。試しに背負って鏡を見てみると、似合っているではありませんか。すぐにでもレジに持って行こう、そう思いました。すると近づいてきた店員さんが言いました。
「肩が合っていませんね」
肩が、合っていない?カラーは、とっても似合っているのに??
キョトンとしている私に「このザックはお客様の身長に合っていないので、肩が痛くなってしまいますよ」と説明してくれました。そして、ザックの正しい背負い方を教えてくれました。
1.腰のベルト(ウエストベルト)を腰骨にしっかり合わせて締める
2.肩のベルト(ショルダーハーネス)を調整する
3.ザックをからだにぴったりと固定させる
これができないザックは、自分のからだに合っていないので買わない方がいいとのこと。また、ザックには女性用・男性用とがあり、性別に合った背幅・肩幅で作られているということを学びました。一目惚れしたミレーのザックは、残念ながら縁がなかったということです。
その後、勧められたグレゴリーのザックを背負ってみると、びっくりするぐらいからだにフィットし、「からだに合う」感覚を掴むことができました。しかし、グレゴリーのカラーバリエーションは、赤、青、黒。正直ピンとくる色ではありません。「これだ!」と言うザックに出会うまで諦めきれない私は、その店を後にしました。
フィット感が好みを上回る新体験
別の登山ショップに行って、店員さんにこれまでの経緯を話すと、今まで一度も目にしなかったザックを出してくれました。それはOSPREY(オスプレー)のsirrus 36(シラス36)。カラーは鮮やかなブルー(表記はサミットブルー)で、イエロー系しか考えていなかった私にとっては想定外の色。「ブルーは山には絶対存在しない色だから、もしもの時には見つけられやすい」と店員さんが教えてくれました。
オスプレーのザックは背面の長さが調整できるようになっており、店員さんが長身(175㎝)の私にサイズを合わせてくれて、さらにザックの中に重りを入れてもらい、登山時に近い状態で試着させてくれました。すると、からだにピッタリとフィットし、自分がこのザックを背負って山に登る姿が想像できたのです。
こうして私は、最初に気に入ったものとは全く違う色の、頭の片隅にもなかったザックを購入しました。でも、そのザックは今の自分にとってベストな選択だし、とても気に入っている・・・。そう言えるのは、何度もショップに足を運び、店員さんのアドバイスを聞き、たくさん試着したからだと思います。ザックに関する知識も得て、またひとつレベルアップしたような気持ちになりました。
東京都最高峰・1都2県にまたがる「雲取山」へ
今回、新しいザックを背負って登るのは、日本百名山の「雲取山」。標高は2017.1mと東京都最高峰であり、埼玉県と山梨県にもまたがっている山です。コースタイムは登山口から山頂までは6時間、下山に4時間と長めで、1泊2日での登山を推奨しています。山小屋も2ヵ所ありますし、麓には宿泊施設やキャンプ場もあります。脚力やペースに自信のない方は十分な登山計画を立てて登るべき山です。
ひとり登山の安全確保は時間との戦い
奥多摩駅から利用者の多い「鴨沢」登山口までバスが走っています。ですが、始発で向かっても登り始めるのが9時を過ぎてしまうスケジュールでした。日の入りが早くなっているため、より早い時間から登り始めたいと考え、レンタカーで向かうことにしました。登山口の近くに駐車場があり、平日だったので停めることができました(土日は満車になる模様)。
滑落が多発しているという記事を山小屋のブログで読んでいた上に、ひとりで登るのは久しぶり、不安がないわけではありません。さらに日没までに下山しなければならないことを思うと、一段と気が引き締まります。
駐車場に設置されていた登山ポスト。これに「いつ、誰と、どんなルート、どんな装備で登るのか」を記入した登山届(登山計画書)を投函します。登山届は大抵ポストの脇に置かれています。「もしも」の時に自分の命を守ってくれる大切な書類です。必ず提出しましょう。事前にインターネットで提出できるものもあります。
続きが気になる!?平将門逃走ルート
雲取山へは、距離が長く時間はかかるものの、比較的単調な山道が続きます。道幅が狭い箇所があるので、そこは細心の注意を払って通りますが、ひたすら地道に登ることを求められるルートです。時間との戦いの中、こんな看板を発見しました。
「平将門 迷走ルート」・・・???
日本史で習った名前だけど、何をした武将だったかな・・・。読んでみると、どうやらその平将門がこの山道を逃げていったと言う伝承があるらしく、逃走(迷走)時のエピソードや土地名の由来が書かれています。
たしかに、かつて風呂場があったと言われればそう見える形の岩が並んでいる・・・湯船に浸かっているイメージで撮影するのもおすすめです。
ちょっとしたツッコミどころもありながらも、何だか続きが気になってしまい、読み応えがあるのです。「次は・・・次の看板は・・・!?」と思いながら登っていると、あっという間に富士山の見える山小屋「七ツ石小屋」に到着しました。
一息休憩。看板は鴨沢のバス停から始まって全部で10枚(+おまけ)あり、駐車場から登った私は全制覇できませんでした。次に登るときは、全て読みたいと思います。
登山者を飽きさせないように、そして伝承を大切にしようという、地元の方の心遣いが感じられ、温かい気持ちになりました。
山頂までもう一踏ん張り。その名の通り、雲が手に取れそうな景色が
七ツ石山(標高1757.3m)を過ぎると、雲取山頂が見えてきます。しかしすぐに到着できるほど甘くありません。そこから一旦下り、尾根を渡り、再び傾斜のキツイ山道を登らねばなりません。疲労はかなり溜まってきています。ふと辺りを見渡すと奥多摩の山々が連なりを眺めることができます。
苦しい山道を登れば、雄大で美しい風景に出会えます。その解放感と言ったら、日常生活ではなかなか味わうことのできないもの。私は思わず(一応辺りに人がいないのを確認して)「やっほー!」と叫んでいました。が、山びこは聞こえず・・・
前方に避難小屋が見えたら、頂上はもう目の前です。最後の力を振り絞って、待ちに待った頂上に到達することができました。この地点は東京都と埼玉県にまたがっています。
そして、避難小屋の方に行くと、山梨県にも属していることが分かります。ほどなくして、雲が出始めました。その雲のかかり方がとても変わっていました。地面と平行に分厚い雲が山を覆っていたのです。なんだか雲を掴めてしまいそうな位置です。
下山はより気を引き締めて
下山は来た道を戻るピストンルートです。同じ道でも登りと下りでは足の出し方も違いますし、疲労も溜まっています。重力に任せて勢いで下りてしまうと、転んでしまったり、足を挫いてしまう危険があります。急ぐ気持ちがある時こそ、慎重にゆっくりと。ひとりだったら尚更、注意しすぎるくらいが丁度いいのです。
まだ紅葉は見られませんでしたが、秋は感じることができました。何度か頭に直撃したどんぐりです。どんぐりを拾ったのなんていつぶりだろう・・・・登山の素晴らしさをまたひとつ感じました。
幅広い楽しみ方ができる山
雲取山は日帰りだと少し急ぎ足になりますが、自分の脚力や体力を計るのにはもってこいです。一泊二日だと、山小屋泊もできますし、テントを立てられる場所もあります。滑落注意の場所はありますが、ルートはよく整備されていて、標識や案内板も多く、トイレや避難小屋も充実しています。自分のレベルに合わせて、無理のないペースで、コースを選びながら登ることができ、達成感を得られます。また、麓には旅館やキャンプ場、温泉施設もたくさんあります。登山だけではなく、それぞれの目的を持って、幅広く楽しむことができる山です。
ザックの選定力が、登山の快適さを左右する
登頂〜下山まで、ザックに対する違和感や不安定さは全くありませんでした。いつもよりも多いはずの荷物も重荷に感じられず、肩の疲れもありません。加えて、収納も至るところにあるので、使い勝手が良いのです。
ウエストベルト部分のポケットにはお菓子やアメを。
天蓋(ザックの上蓋の部分)の内側はメッシュになっています。取り出す頻度の高い日焼け止めやビニール袋を入れていました。
背面がザックに直接触れない作りになっているので、汗をかいても蒸れにくい。
これまで使っていたザックであれば、時間経過とともに肩が痛くなっていたのですが、まったく痛さも疲れも感じずに登ることができました。
ザックは買ってからも勉強、勉強
雲取山の登山を終えて、ザックにも大満足したわけですが、いくら機能性があるからといって荷物を詰めればいいというものではありません。どこに何を、どんな順番で詰めていけば、背負った時にブレにくく重さを感じにくいのか、また、取り出しやすいのか、たくさん詰めることができるのか、などの情報を収集したり、いろんなパターンを実践したりすることで、パッキングの技術も上がっていきます。
ザックの機能を最大限に生かすには、まだまだ勉強が必要なのです。これから一緒に山を登っていくザック。大切にメンテナンスしながら、よりよい使い方を見つけていきたいと思います。
評価 ザック(OSPLEY)
OSPREY sirrus 36(オスプレー シラス36)
カラー:サミットブルー
容量:S/M=36リットル
外寸:縦60×横36×奥31cm
オシャレ度 ★★★☆☆
機能性 ★★★★☆
コーディネートしやすさ ★★★☆☆
かぶらない度 ★★★☆☆
オススメ度 ★★★★☆
プロフィール
高島 麻利央(たかしま まりお)
ラジオパーソナリティ、リポーター、イベントMC、舞台女優、脚本家などマルチに活動中。小学3年生から大学生までバレーボールに打ち込み、大学卒業後3年間の会社員生活を経て、芸能界に飛び込んだ。
趣味は登山、マラソン。フルマラソンは3回完走し、最近はもっぱら登山のアイテムを物色中。
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