お尻の筋肉痛と上手に付き合おう!原因と予防・改善方法
筋トレをすれば誰にでも起こるツライ痛み、筋肉痛。もし今まさに筋肉痛なのであれば、なるべく早く治して快適なトレーニングライフを取り戻そう!
さらに、筋肉痛になる原因や対処法をきちんと知っておけば、筋肉痛ともっと上手に付き合っていけるはず。
目次
筋肉痛の仕組み・原因
激しい運動をしたり、重たい荷物を持ったりすると現れる筋肉痛。日常生活の中で、誰もが経験するツライ痛み。
筋肉痛は一体、どのようにして起こるのか? その仕組みや原因は、実はまだ完全に解明されていない部分も。でも、研究によっていくつかの説が唱えられている。
筋肉痛は2種類ある
筋肉痛は大きく分けて2つ。1つは、運動している間にだけ痛みが出る現発性筋肉痛。もう1つは、運動後数時間から1~2日後に痛みが出始める遅発性筋肉痛。
一般的に筋肉痛と呼ばれているのは、後者の遅発性筋肉痛のこと。その痛みは24時間~48時間後がピークとなり、数日間続くことも。
筋肉痛になる原因
乳酸の蓄積?
運動すると発生する疲労物質「乳酸」が、筋線維に蓄積することが原因で筋肉痛になるという、「乳酸蓄積説」。これまで長く支持されてきた説だけれど、実は近年の研究では否定されはじめている。
それは「乳酸」は発生後1時間ほどで運動前の数値に戻ることが分かったため。乳酸は筋肉痛の原因ではなく運動中のエネルギー源であり、筋肉痛とは無関係という説が現在では有力に。
筋肉の損傷
現在最も有力なのが、運動をすることによって筋線維に微細な損傷ができたとき、そこに生じる炎症と痛みが筋肉痛という説。
特に、筋肉が引き伸ばされながら力を発揮する伸張性収縮の運動は、筋繊維により損傷を与えやすいため、筋肉痛が起こりやすいのだとか。
例えば、ダンベルを持って肘を伸ばす時。ダンベルによって筋肉は収縮しているけれど、収縮している方向とは逆の向きに伸びていく(伸張性収縮)。このような動きだと、筋線維の損傷がより大きくなり、筋肉痛が起こりやすくなる。
お尻の筋肉には筋肉痛になりにくい?
体中にある全ての筋肉の中で、単体で最も大きな筋肉の大臀筋。この大臀筋の深層かつ外側には中臀筋、さらにその下の深層には小臀筋が。その他、小さな筋肉群もいくつか集まって臀筋群を形成している。
お尻は筋肉痛になりにくい
臀筋群の中でも、特に面積も体積も大きい大臀筋はとてもパワフルな筋肉なので、小さな筋肉と比べて筋肉痛が起こりにくい。つまり、筋トレの後にお尻に筋肉痛が起こる=筋トレで直接、臀筋群にアプローチできている証拠。そういう意味では、お尻の筋肉痛は実は嬉しいことと言えるかも。
お尻を鍛えるメリット
お尻の筋肉を鍛えるメリットは、ヒップアップ・基礎代謝アップ・骨盤の安定。
大臀筋・中臀筋を鍛えることで、ヒップラインを整え、丸みと高さのある美尻を作ることができる。また、この2つの筋肉は体の中でも大きな筋肉なので、鍛えることで基礎代謝がアップし、脂肪の燃えやすい体に。骨盤周りの筋肉を鍛えれば、骨盤の傾きが改善される。上半身と下半身を繋ぐ大事な部位なので、骨盤が安定すると姿勢の改善などの効果も。
筋肉痛を早く治す・予防する方法4選
頑張った証拠とはいえ、なかなか治らないと身体を動かすのが憂鬱に。早く治すために試してほしいのが、次の4つの方法。
アイシング
筋肉痛を早く治すには、アイシングを行うと効果的。運動直後に、鍛えた部位を氷や水で冷やして。運動によって上昇した筋肉の温度を下げることで、筋肉のエネルギー消費量を抑え、より早く筋肉痛を治すことが可能に。
交代浴
交代浴とは、冷やす・温めるを繰り返す方法。筋肉痛が起こった部位に冷たいシャワーを当てて冷やし、すぐにお風呂などのお湯で温める、というのを繰り返して。体内の血液循環を良くする効果があるので、筋肉が疲労物質をより早く分散させることができる。
タンパク質を摂る
運動によって消費したエネルギーは、食事からエネルギーを摂取することで補うことができる。筋肉をつくるのに必要な栄養素はタンパク質。タンパク質を十分に摂ることで、傷ついた筋線維が回復し、筋肉痛を早めに治せる。タンパク質が多く含まれる肉・魚介類・卵・大豆製品を積極的に食事に取り入れて。
食事で十分に摂ることが難しい場合は、プロテインで補うのもおすすめ。
おすすめのプロテインについてもっと知りたい人はこちらの記事をチェック!
ストレッチをする
普段からストレッチを欠かさない人の筋肉は弾力性・柔軟性が高いため、筋肉痛が起こりにくく、治りやすいんだとか。つまり、定期的にストレッチをすることは筋肉痛の改善のみならず筋肉痛の予防に繋がるということ。
筋肉痛予防に効果的なストレッチ
歩く、走るときだけではなく、実は姿勢を保つだけでも常に力が入っているお尻の筋肉。日頃から意識して使っているわけではないだけに、固く、動きが悪くなりがち。普段からストレッチしてほぐすのがGOOD。
おすすめのお尻ストレッチ
それでは、普段なかなか意識して伸ばすことのない臀筋群を効率よく伸ばせるストレッチをご紹介。筋肉痛の予防もかねてトライして。
筋肉痛のときって筋トレしてもいいの?
筋肉痛のときは筋トレをしたほうがいいのか、それともしない方がいいのか、迷う人もいるかも。
基本的にはおすすめしない
筋トレをすることによって、筋線維には微細な損傷が発生。そこで休息を入れてあげれば、筋線維は修復されて破損前よりも太く成長する。これは超回復と呼ばれている理論。
超回復には諸説あるけれど、筋トレにおいて休息を挟むことでトレーニング効果が高まることされている。筋肉痛が激しい場合には休息を入れた方がより効率的に筋力を向上できるため、基本的には筋トレは休むのがおすすめ。
違う部位の筋トレをしよう
休息を取っている間は何もしないのではなく、筋肉痛が起こっている部位とは違う部位の筋トレしよう。
鍛える部位を上半身・下半身と分けて、日ごとに違う部位の筋トレに取り組むようにすると、効率良く筋トレを進めることができてGOOD。
筋肉痛が治らないときは?
筋肉痛は、発症してから24時間~48時間が痛みのピーク。
そのピークを過ぎても痛みが強いまま残る時や、ますます痛みが酷くなる時は、筋肉痛以外の原因があるかも。お尻の場合は、神経が圧迫されて起こる坐骨神経痛や梨状筋症候群が起こっている可能性もある。
このような時には、自己判断や無理な筋トレはせず、すぐに医師へ相談を。