女子サッカーに「Jクラブ以外で続ける道」がある意義。中学生に“free”な楽しさを【PR】

本企画は、株式会社モルテンが展開する女子スポーツを応援する「Keep Playing 」とのタイアップ企画です。女子サッカーまたはバスケの選手や指導者を対象に、現在のそれぞれの取り組みへの思いや競技環境についての現状などをお伺いします。

2015年に横浜市緑区・都筑区を拠点に誕生した女子中学生サッカーチーム「クラブテアトロbulbo(ブルボ)」。Jリーグの育成組織以外で地域のチームとして、「女子が気軽にサッカーを続けられる環境を」という思いから発足しました。

今回は、クラブテアトロbulboの監督である那須高(なす・たかし)さんと、同チーム1期生でコーチを務める小澤弥奈(おざわ・みな)さんに、チームの歩みや中学生世代のリアルな指導現場についてお話を伺いました。また、チームで活動する選手たちの声もご紹介します。

Keep Playing とは?

日本における女性スポーツ(※)の競技登録者数は高校を卒業後、大きく減少してしまいます。どんな競技レベルやライフステージでも、スポーツの持つ魅力に惹きつけられ、仲間と出会い、プレイを楽しみ、続けて欲しいと考えています。このメッセージが多くのスポーツをする人・みる人・支える人に届くことで、興味・関心につなげ、スポーツを継続する環境がより良いものになることに繋がっていくことを目指しています。
※2022年バスケットボール、サッカー、ハンドボールの女性競技登録者数を参照高校生から18歳以上になると競技登録者数はバスケットボール74%、サッカー29%、ハンドボール80%減少。

詳しくはバナーをクリック!

取材当日は雨だったため、体育館で練習を実施

取材当日は雨だったため、体育館で練習を実施

中学生になってもサッカーを続けてほしい。原点は女子選手のための場づくり

ーチーム創設のきっかけを教えて下さい。

那須 女子中学生がもっと気軽にサッカーをできる場所を増やしたくて、このチームを作りました。女子の場合、中学生になると急にプレーできる環境がなくなるんです。女子サッカー部のある学校は少なく、Jリーグの育成組織も限られる。でも、サッカーをやりたい女の子はたくさんいます。強いチームには行けなくても地域でサッカーを続けたい。そんな子たちのために、クラブテアトロbulboを2015年に立ち上げました。今年入団した1年生が11期生になります。ちなみに、小澤コーチはbulboの1期生なんです。

ーそうだったんですね!小澤コーチがbulboに入られた経緯もお聞かせいただけますか?

小澤 元々は兄の影響でサッカーを始めました。小学生の頃は男子チームでプレーしていたんです。中学に上がってからもそのままサッカーを続けていたところ、兄が所属していたクラブテアトロに、女子のU-15ができると聞いて。それで同じチームの友達と一緒に4人で移りました。その4人がbulboの1期生です。

ー今、チームには何人くらいの子が在籍しているんですか?

那須 全員で28人です。各学年10人程度のメンバーがいます。最初は11人制の試合もできないほど少なかったんですが、おかげさまで沢山の仲間が増えました。

ーメンバーが増えた背景には、何か理由があるのでしょうか。

那須 小学生向けのガールズクラスを作ったのが、大きなきっかけだったかもしれません。最初は男女混合のスクールだけでしたが、女子だけのクラスも作ったんです。今の3年生を見ると、8人中5〜6人がこのクラス出身。そのままbulboに上がる子が多くて、自然とチームが大きくなっていきました。

ーガールズクラス立ち上げの狙いも伺いたいです。

那須 そもそもこの辺りには女子だけのサッカースクールがほとんどありませんでした。であれば自分たちで作ろうと、それが一番の理由です。もちろんこのチームへの橋渡しという狙いもありました。でもそれ以上に、女の子たちが気軽にサッカーを始められる環境を作りたかったんです。

結果的に、男女混合クラスに抵抗のあった子たちがたくさん入ってくれました。我々も安心して楽しめる場所を作りたかったので、指導者も女性が中心。このクラスが、多くの女の子たちのサッカーを始めるきっかけとなっていたら嬉しいです。

女子選手への指導で学んだ「なぜ」を丁寧に説明することの大切さ

ー女子選手の指導において、印象に残っているエピソードを教えて下さい。

那須 初めて遠征に行った時、選手たちのプレーに少し修正が必要な部分がありました。そこで、なぜ修正すべきか、どう改善したらいいかを言葉で説明したんです。すると驚いたことに、選手たちが本当に真面目にそれを実践してくれて。さらに驚いたのは、その修正が3日間の遠征中、どのチームと試合をしても元に戻らなかったこと。彼女たちは、徹底して継続していたんです。僕自身はその経験から「なぜ」を丁寧に説明することの大切さを学びました。

ー現在11期生を迎えるほど長く活動を続けておられますが、これまでのチーム作りで意識されてきたことや心がけていることはありますか?

那須 選手それぞれのレベルに合わせた環境づくりをしています。やはりチームが大きくなると、どうしてもレベル差が出てくるんです。だから今は学年ではなく、実力でグループ分けをしています。この部分に関しては性別問わず、近いレベルの選手同士で切磋琢磨する方が、みんな着実に成長できるなと。

とはいえ、機械的にグループ分けすることはありません。まずは、どうしてここに入ってもらうか。その意図をちゃんと説明して、理解してもらうようにしています。これは先程の話にも通じるんですが、彼女たちにとっては納得感がとても大切なんです。できるだけ彼女たちの気持ちに寄り添えるような伝え方をしていきたいと思っています。

ー納得感のある説明、特に女子選手にとっては大切な気がします。

小澤 それで言うと、私は理論派というより感覚派(笑)。だから選手たちと一緒に過ごしていると、自分とは全然違うタイプの子も多いんだなと感じます。逆に私の方こそ学ばせてもらうことが多いです。

小澤さんは日本女子フットサルリーグに所属する「アニージャ湘南」の現役選手としても活躍中

小澤さんは日本女子フットサルリーグに所属する「アニージャ湘南」の現役選手としても活躍中

ーこれまでサッカーを続けてきた中で、女子ならではの苦労や困りごとはありましたか?

小澤 やっぱり体調面ですね。特に生理のことは男性の指導者には言いづらくて。コンディションも日によって全然違うので、そういった面で悩むことはありました。なので選手たちには「何かあったら、遠慮せずに話してね」とよく言っています。

ー実際、選手たちから話してくれていますか?

小澤 結構話してくれます。「今日はちょっとしんどくて…」みたいな感じで。 私も「無理しなくていいよ」と返します。そのあとに、私から状況を監督に共有するという流れです。

那須 本当にありがたいです。僕らだと状況を確認するのも難しいので。やはり言いづらいこともあるだろうし。だからすごく大切な役割を担ってもらってると思いますし、とても助かっています。

みんなサッカーを続けたい!約8割の選手が卒団後もプレーを継続

ーチームを卒団した子たちのうち、サッカーを続けている子はどのくらいいるんですか?

那須 去年卒団した10人のうち、8人が高校やクラブでサッカーを続けています。それ以前に卒団した子たちも、ほとんどが続けている印象です。だいたい8割くらいの子が高校生になってもサッカーをやっています。

ー卒団後の進路について、サポートやアドバイスはしているのですか?

那須 はい。サッカーを続けたいかどうかも聞きつつ、進路について一緒に考えます。成績も見ながら「こういう高校があるよ」と教えることも。私立であれば学校に繋ぐこともあります。監督の役割としてはそこまでしなくてもいいのかもしれませんが、できればサッカーを続けてほしいですし、入り込んでいますね。

ー選手たちが進路を考える際、どんなことに不安を感じているか教えていただけますか?

那須 新しいチームに馴染めるか、レベルについていけるか…この辺りを心配する子が多いです。そんな時は「練習会に行ってみたら?」とか「試合を見学してみたら?」と声を掛けます。あとは「OGに話聞くのもいいよ」とか。これは地域柄かもしれませんが、勉強との兼ね合いで悩む子もいます。学力的にもう少し上を目指したいけど、そこにはサッカー部がないからクラブで続けようかどうしようか、みたいな。今は選択肢が増えているので、かえって選ぶのに悩む子も多い印象です。

ー最後に、全国の女子サッカー選手たちへメッセージをお願いします。

那須 女子選手を日々指導している中で感じるのは、みんなサッカーが物凄く好きなんだなということ。彼女たちは「上手くなりたい」「プレーが楽しい」という気持ちがとても強いので、指導者としてその思いを大切にしてあげたいです。クラブでは「free」という考え方を大切にしていて、何事も提示する選択肢をひとつに絞らないようにしています。その方が楽しさを残しながら、取り組んでもらえるのではないかと。

将来はプロを目指すか、趣味で続けるか、道は分かれると思いますが、どちらにも楽しさがあります。サッカーを愛する気持ちを忘れないでほしいし、もちろん無理に続ける必要もないけど、サッカーで得た経験を人生に活かしてくれたら嬉しいですね。

小澤 選手の子たちに伝えたいのは、プレーに熱中できる今を思いきり楽しんでほしいということです。女性の場合、結婚や出産といったライフステージの変化で、サッカーとの関わり方を考えなければいけない時が来ることもあります。だからこそ、今を全力で楽しんでもらいたいし、そうやってサッカーを続けていくなかで学ぶ様々なことは、きっと人生の素敵な宝物になるはず。応援しています!

チームの子供たちのコメントをご紹介!

ーサッカーを始めたきっかけを教えて下さい。

小4の時、男子の友達に誘われて始めました。家族もみんなサッカーが好きだったので、ちょっと興味はあったんです。実際にやってみたら、いろんな人と仲良くなれるし、みんなで目標に向かって頑張るのも楽しいし、気づいたらサッカーが大好きになっていました!(中学3年)

私の家は5人兄妹で、そのうち3人がサッカーをやっていたんです。実はその影響でサッカーを避けていました…。兄たちを見ていたら大変そうだったので(笑)。でも小3の時に行った体験会でゴールを決めたらすごいハマっちゃって。そこからチームに入って、今も続けている感じです!(中学2年)

小さい頃、兄の真似をするのが大好きな子だったんです。だからサッカーをやる兄を見て「私もやる!」って言い出して、それで年少からサッカーを始めました。遊び感覚でやっているうちにどんどん楽しくなってきて、結果的に今も続いています!(中学1年)

ーサッカーの楽しいところを教えて下さい。

いろんな人と関われるのがサッカーのいいところ。もちろんプレーすることも楽しいんですけど、みんなで一緒にサッカーをするのがすごく楽しいです。(中学3年)

もっと頑張ろうって思えるところです。負けた試合の後とか「次は絶対勝つ!」みたいな気持ちになれて。自分の中の負けず嫌いな部分が出てくるのが、実は結構楽しいです。(中学2年)

仲間と一緒にプレーできるところが楽しいです。みんなで力を合わせて同じ目標に向かえるのが最高です!(中学1年)

ー卒団後の進路について、何か考えていることはありますか?

私は行きたい公立高校があります!実はそこのサッカー部に入りたくて…。でもチームでサッカーをするのは高校までかな。だから高校生活はサッカーに全力を注ぎたいです!(中学3年)

私も行きたい高校があるんですけど、ちょっと家から遠くて…。だからそこを目指すかは悩み中です。ただ、将来はサッカースクールのコーチをやってみたいなと思っていて。そういう夢もあるので高校はサッカーが強いところに行きたいです!(中学2年)

まだどこに行きたいとかはないんですが、卒団してもサッカーは続けたいと思っています。できれば大学に入ってからもサッカーを続けたいです。(中学1年)

ー今後サッカーを続ける上で不安に感じていることはありますか?

高校の部活だと上下関係が厳しいのかな?ってちょっと気になっています。今とは雰囲気が違うかもしれないし、その辺りが少しだけ不安です。(中学3年)

私も上下関係のことがちょっと心配です。(中学1年)

私は目指している高校が公立なので、成績が足りるか不安です。でも体験会に行ったらとても雰囲気がよくて、すごく楽しそうだったので受験頑張ります!(中学2年)

ー最後に、今後の目標を教えて下さい。

私は他の3年生に比べて、まだまだ知識も技術も足りていないので、卒団までの残りの時間で必ず追いつきたいと思います!(中学3年)

私もまだまだ体力が足りなかったり、できなかったりすることが多いので、それを克服したいです。そして3年生が卒団した後も勝てるチームにしたいです!(中学2年)

まだ自分は1年生だけど、将来はチームを引っ張れる存在になるよう頑張ります!(中学1年)

ーありがとうございました。ぜひ頑張ってください!

RELATED

PICK UP

NEW