小麦アレルギーだった競泳元日本代表・竹村幸の、“グルテンフリー”時期別食事法

写真:本人提供

こんにちは。
競泳元日本代表の竹村幸です。

私は2015年に運動誘発性小麦粉アレルギーを発症したため、現役時代グルテンフリーの食事を意識していました。
※グルテンフリーとは、パンやパスタ、うどんなど小麦を含む食品を摂取しないことです。

アスリートとして、強い身体を作ることは不可欠です。

どの栄養をいつ摂るのが良いか、どうすれば回復が早くなるのか、体重を維持できるのか。私なりに試行錯誤し、たどり着いた時期別の食事法を紹介します。

 

鍛錬期「適量を知ること」

引用元:SAVAS soy protein

①起床後
起きたら、すぐにプロテイン。寝ている間に筋損傷が進んでいるので、すぐにタンパク質を摂取するようにしていました。乳製品があまり得意ではなかったので、ソイプロテインを選んで飲んでいました。

②朝食
おにぎり2個(約2膳分)。グルテンフリーの生活を送っていたので、炭水化物はお米で摂取していました。

③練習後
BCAAはクールダウン(ゆっくり泳ぐ)の前に、プロテインはクールダウンの後に摂取してリカバリーしていました。プロテインの吸収は、ホエイプロテインで約2時間、ソイプロテインだと約5〜6時間かかります。なので先に30分程度で吸収されるBCAAを摂取しておき、筋損傷を防ぎます。

※BCAAとは、バリン、ロイシン、イソロイシンの必須アミノ酸3種類です。これらは人間の体内では産生できない必須アミノ酸(EAA)。運動時に筋肉でエネルギーとなるアスリートにとって、とても重要な栄養素です。

引用元:バルクスポーツ BCAA

④休憩・昼食
朝練のあとは、身体が冷えるのでスープや温かいもの。昼食は、時間がないのでタンパク質と炭水化物が一緒に摂れる丼ものを食べていました。

⑤練習後
朝練の時と同じですが、疲れの程度でBCAAの量を調節していました。プロテインは、量を増やすと満腹感が増して夕食の量が減ってしまうので、摂取量は変えません。

⑥夕食
主菜2種、副菜2種、汁物。主菜2種類は、牛肉と豚肉、鶏肉と魚など違う種類のタンパク質を摂るよう意識しています。副菜は休日に作り置きをして、時短できるように工夫しています。母が手作りの惣菜を送ってくれていたので、とても助かっていました。体重をコントロールするために、炭水化物の量は少量に抑えるか、食べない日もありました。

写真:本人提供

⑦就寝前
BCAAを飲むことで、血糖値を下げすぎず、筋損傷を防ぎます。疲れの程度や睡眠時間で量を調整するようにしていました。日頃から自分の疲労感を数値化できるようになれば、対応も変わってくると思います。

鍛錬期は、疲労を回復させることが重要です。自分に合う食事や適量を知り、自分がどう変わるのかを感じること。試行錯誤がベストパフォーマンスへ繋がります。

 

調整期(テーパー期)「間食は、ヨーグルト、ナッツ、BCAA」

調整期は、鍛錬期と摂取するものはほとんど変わりませんが、夜ご飯の炭水化物の量は試合に向けて少しずつ増やしていました。

テーパー期は練習回数が減るので、消費エネルギーが少なくなり体重増加が懸念されます。体重増加を防ぐために、ヨーグルトやナッツ、BCAAを間食にしていました。

試合前は、ストレスを溜めないようあまり我慢しすぎないこと、食べること以外で気分転換をすることも大事になります。

 

試合中「コンビニ商品の把握が、パフォーマンスを上げる」

②朝食
試合の日はホテルで朝食をとることが多いのですが、胃もたれ防止のためいつも決まった食事(白ごはん、納豆、卵、味噌汁、コーヒー)を少量食べるようにしています。また海外でも同様の食事が摂れるよう、試合日程分の白ごはんと味噌汁を持参します。

引用元:速攻元気ゼリー


引用元:一本満足 プロテインバー

 

③ウォーミングアップ前
グルテンフリーのプロテインバーやゼリーを少量ずつ摂取していきます。一気に食べると身体の動きに支障が出るので、朝食からウォーミングアップ前までに栄養を摂るようにしていました。

④試合前
ウォーミングアップの後は空腹感を満たすためゼリーを半分飲み、試合の30〜40分前にBCAAとコーヒーを摂取します。BCAAで試合のエネルギーを補給、コーヒーはBCAAの吸収を良くする働きがあるとされています。

⑤試合後
プロテインよりも吸収が早いBCAA(タンパク質)をジュース(糖質)で飲みます。糖質とタンパク質を一緒に摂ることでリカバリーを促進させる働きがあるので、意識して組み合わせを考えます。プロテインはクールダウン後に摂取。

引用元:ローソン 笹かま

⑥昼食
昼食はおにぎりと嗜好品のかまぼこ。大好きなかまぼこを食べるとテンションが上がり、決勝への活力になります。試合以外ではかまぼこ禁止生活を送り、試合の時だけ食べられる特別感を作ることも試合の準備のひとつでした。グルテンフリーで高タンパク、低脂質なのでアスリートにピッタリの食べ物です。

⑦夜ご飯
試合後の食事は、内臓が疲れているので消化の良いものを食べるようにします。私は汁物にご飯を混ぜて即席スープご飯にすると食べやすかったです。

試合までの準備の一つとして、コンビニの商品を把握するのも重要です。試合にハプニングはつきもの、ぜひ近くのコンビニ散策も準備の一つに取り入れてみてください。

写真:本人提供

 

いかにストレスを溜め込まずに、パフォーマンス発揮に繋がる身体作りを続けられるかが重要です。
自分と向き合うことを楽しみながら、挑戦してみてください!

次回は、アスリートをサポートしている管理栄養士の佐藤彩香さんとの対談記事になります!アスリートとしての悩みや女性としての悩みを、管理栄養士の観点からアドバイスをいただきました。お楽しみに。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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