頑張れない自分を責めない。生理時のコーチとの対話(元競泳日本代表・竹村幸)
こんにちは。
元競泳日本代表の竹村幸です。
生理の事をコーチや周りの方に話すことに抵抗はありますか?
私は、周りが恥ずかしそうに隠したりする様子に違和感を感じていましたが、なんとなく周りに合わせて言わないようにしていました。
大学生になり生理痛が酷くてベットから動けない日が増えて、初めてコーチに生理について相談しました。
コーチから言われた言葉は「無理しないで」。
きっと気を遣ってかけてくれた言葉だと思いますが、当時の私は突き放され、対話することを拒まれたように受け取ってしまいました。腫れ物のように扱ってほしいのではなく、生理中の対応を一緒に考えたい思いが強かったです。
そんな行き違いを経験し、コーチとしっかり生理について話し合えるようになってからは生理と向き合いやすくなり、練習成果も上がりました。
今日は元選手として、コーチに知っておいてほしいことをお伝えします。
生理周期のコンディション
アスリートは毎日のコンディションに敏感で、生理周期の影響による変化にも過敏になります。
生理前は浮腫んで体重が増え、精神的にも落ち込むことが増えます。生理終盤からは、それらの症状が落ち着き調子が上がりやすくなります。調子が良い時期に合わせて試合が来るよう、ピルを服用する選手も。私は生理後に調子が良くなるので、試合に向けて調整していたことがあります。
選手とのコミュニケーションにも関わってきます。同じ言葉でも、1ヶ月の中で受け取り方は大きく変わります。このことをぜひ指導者の方々には理解していただきたいです。
選択肢を増やす対話
選手は、生理中の頑張れない自分を責めてしまいます。
ホルモンに乱されている状態の時は建設的に物事を考えることが難しく、視野も狭くなってしまいます。ちゃんと話し合い、今やるべきこと、できることを明確にすることで精神的にも落ち着きやすくなります。
自分の体調と向き合い、受け入れること。今に集中することで、生理に振り回されることなく練習の成果を上げることができ、対応力も身につくと思います。
大事なことは、話し合って納得のいく選択をすることです。
自分を知る
女性は20代前半までホルモンが安定せず、毎月体調が変わりやすくなります。
私も、20歳の時と28歳の時に大きく体調が変化し対応に時間がかかりました。
生理で悩んでいる子に『無理をしないで』と休む選択肢を提示するだけではなく、納得のいく対話をしてください。
自分自身で考えて決めていくことは大事ですが、対話を深め自分の情報量や選択肢を増やしていくことで、自分で解決できる対応力も身についていきます。
そうすることで、自分自身を理解し今に集中することがパフォーマンスの向上に繋がります。生理と上手く付き合いながら、充実したスポーツライフを送ってください!
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アスリート×生理TALK vol.1 「指導者と向き合う生理 競泳編」
アスリートと生理の向き合い方を、元日本代表 竹村幸さん と現日本代表草薙コーチが話し合います。