「その感情必要?」スタンボー華を強くした自分との向き合い方。
国内女子サッカーリーグ・なでしこリーグ1部に所属するINAC神戸のゴールキーパーとして活躍中のスタンボー華(スタンボー・はな)選手。2018年のFIFAU-20女子W杯では世界一も経験。2020年度の今シーズンは、INAC神戸でもスターティングメンバーとして定着しつつあります。
彼女の急成長の裏側には、メンタル面での課題克服がありました。どのように自分と向き合い、本番でパフォーマンスを発揮できるようになったのでしょうか?
また、練習自粛期間中も継続して自身のInstagramで発信し続けた理由とは?
「メンタルが弱いけど、どうすればいいのかわからない」と感じているスポーツ女子も多いはず。誰もが取り入れられる自分との向き合い方や、選手の発信に対して感じていることをお聞きしました。
※取材はスタンボー選手がINAC神戸に在籍していた2020年11月に実施。2021年シーズンより、大宮アルディージャVENTUSへ移籍。
成績向上のカギは、自分と向き合う“メンテナンス”時間
中でも一番大きいのは、フィジカルや技術面というより、メンタル面かなと。
学生の頃から、本番でのパフォーマンスがメンタルに左右されやすいことは自覚していました。でもずっと、向き合い方がわからなかったんですよね。具体的に何が原因でメンタルをしっかり保つことができないのかもわからないし、何をどうすれば良くなるのかがわからなくて。
でも怪我をしていたから、練習自粛期間を自分にとってプラスなものにしようとすぐに切り替えることができました。
逆に、ただただ静かに瞑想をすることであえて何もしない時間を作ったりもしました。
上手くやろうとせずに、ありのままの自分で「とにかく確実なプレーを」と意識しているとパフォーマンスが向上している気がします。
特に学生なら、学業にバイトに部活にと、すごく慌ただしいイメージです。普段ならスマホを触っている就寝前の5分を、例えば瞑想に使ってみたり、お風呂でゆっくりする時間にしてみたり。そうやって、何も音もない、ゆっくりと自分を整える時間を作るべきかなと。
「こんなことでいいの?」と思われるかもしれませんが、メンタルトレーニングは特別なことをする必要はないんです。ちょっとした日々の“メンテナンス”時間を作ることが大切です。構えずに、自分を見つめ直す時間を作ってみてほしいです。
“顔”も武器に。きっかけを作り発信する理由
男子と違って女子サッカーは、「プレーが上手」という理由だけでメディアが取り上げてくれることはまだ少ないと感じています。プレーはもちろん、何かプラスアルファの要素があってようやく取り上げていただける部分もあるのかなと。
もともと女子サッカーを知らなくても、まずは私のことを知ってもらって、そこから女子サッカーを観るようになったという方も結構いらっしゃるんです。とにかく、サッカーに、スポーツに、少しでも興味を持ってもらえればいいと思っています。
結局は、選手本人を思っての記事かどうかだと思います。容姿がサッカーを知っていただくきっかけになりうるなら、使えるものはどんどん使っていきたいので、抵抗はないです。
メディアを使うことに、慎重になりすぎてもいけないかと。今は2021年に女子サッカー国内プロリーグ「WEリーグ」が発足することも決まっていて、盛り上げ時です。なのに、プロリーグが発表された時以外、そこまで話題になっていない気がします。
出し惜しみせず、協力し合って、もっともっと女子サッカー界を盛り上げていきたいですね。