食物繊維の選び方。水溶性と不溶性の次は「発酵率」も気にしてみて!

手でハートを作る女性の写真

からだづくりのためにバランスよく栄養素を摂取するのは、とっても重要!ですが、意外と見落としているのが”第6の栄養素”と呼ばれる「食物繊維」。トレーニーやアスリートの皆さんは、胃腸への影響を考慮して、あえて炭水化物や食物繊維を控えている、という方もいるのではないでしょうか?

今回は、うんち記録アプリ「ウンログ」のうん広報・長瀬みなみが、絶対に摂取してほしい栄養素「食物繊維」の効果や選び方を解説します!

 

臭いオナラ、それ食物繊維不足かも!?

トレーニングをしている人に意外と多いお腹の悩みが、オナラ。プロテインなどのタンパク質を過剰に摂取すると、腸内環境が悪化して腸内細菌が腐敗ガスを作り出すため、どうしてもオナラが臭くなったり、過剰にガスが溜まったりしがちです。

食物繊維はヒトの消化酵素によって消化吸収されないため、エネルギーにはなりませんが、腸内環境改善には欠かすことができない「第6の栄養素」。大腸の中でうんちを形成することはもちろん、腸内細菌のエサにもなって腸内環境を整えてくれます。

腸内環境を良好にすることは、全身の炎症を防ぐ効果も見込めるため、慢性的な疲労感や倦怠感、イライラなどの改善も見込めます。

(腸内環境と全身への影響について、詳しく知りたい方はこちらの記事もチェック!)

食物繊維の1日の摂取目標量は、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、18~64歳で女性18g以上、男性21g以上とされています。しかし、実際の摂取量はもどの年代をみてもほぼ理想の摂取量には到達していません。まずは1食に少しずつでもいいので、食物繊維を摂ることを意識してみてください!

日本人の年代別食物繊維摂取量の図

 

2種類の食物繊維をバランスよく取り入れよう

食物繊維なら何を食べても同じというわけではありません。食物繊維には「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」の2種類があり、それぞれの役割も違います。

 

水溶性食物繊維

水溶性食物繊維は、水に溶ける性質を持っています。水に溶けるとゲル状になり、うんちの水分量を増やして柔らかくしてくれるので、排便しやすくなります。また、腸内細菌のエサとなって発酵を活発にするので、腸内環境が整います。

含まれる食品:海藻類、大麦、熟したフルーツなど

 

不溶性食物繊維

不溶性食物繊維は、水に溶けない食物繊維です。水分を吸収することでカサが増え、うんちの量を増やしたり、腸を刺激してぜん動運動を促進します。

含まれる食品:きのこ類、切り干し大根、オートミールなど

 

2つの食物繊維をバランスよく、5:5の割合で摂取することが理想ですが、便秘気味の方は水溶性食物繊維の割合を、下痢気味の方は不溶性食物繊維の割合を増やして、自分のお腹にあう割合を探してみてください。

また、水溶性食物繊維は含有量が少ないため、意識的に摂取しないと適量を摂取することができません。海藻類の小鉢を一品追加するなど、小さなことから始めてみましょう。

不溶性・水溶性食物繊維が多い食品の図

 

腸だけじゃない!全身の健康にも関係する「短鎖脂肪酸」

腸内細菌は水溶性食物繊維をエサにして発酵すると、さまざまな代謝物を作り出します。その中でも酢酸、酪酸、プロピオン酸などの「短鎖脂肪酸」は、特に有益な働きをしてくれると注目されています。

 

短鎖脂肪酸の働き

・腸内を有用な菌が活動しやすい弱酸性に保ち腸内環境を整える

・腸を刺激してぜん動運動を促し、便通をよくする

・免疫調整を行い、全身の炎症を抑制する

・大腸上皮細胞の増殖を助ける

・水分やナトリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルを吸収するためのエネルギー源になる

・脳や肝臓、筋肉、腎臓などのエネルギー源になる

腸内で短鎖脂肪酸が減少すると、炎症を起こしやすい体質を作り出すことにつながります。つまり、水溶性食物繊維を積極的に摂取することは、整腸に止まらず全身の健康を保つためにも重要な役割を持っているんです。

 

種類によって効果が違う!水溶性食物繊維の「発酵率」とは

水溶性食物繊維を摂取するためには、食品だけでなくサプリメントに頼ることも一つの方法です。最近ではいろいろな種類の水溶性食物繊維サプリメントが販売されていますが、効率的に摂取するなら、ぜひ注目して欲しいのが「発酵率」です。

発酵率とは、腸内細菌のエサになって分解される割合のこと。水溶性食物繊維といっても、種類によって腸内細菌の分解しやすさが異なります。

水溶性食物繊維の発酵性の図

発酵率の高いイヌリン(チコリイヌリン)は、1日5gの摂取でも整腸作用に優位に効果があり、難消化デキストリンに比べて約2倍の短鎖脂肪酸を作り出すという研究結果もあります。グァーガム分解物では、他の水溶性食物繊維と比べて、最も短鎖脂肪酸を作り出す量が多く、中でも最も生理作用の強い酪酸を多く作り出します。

このように、水溶性食物繊維でもそれぞれ期待できる効果が異なるので、取り入れる時にはチェックしてみてくださいね。

 

水溶性食物繊維のおすすめサプリメント

チコリから抽出されたイヌリンのサプリメント。1包あたりが3gなので、摂取量もわかりやすいです。ほのかに甘味がありますが、味を邪魔しないので、毎日の食事や飲み物にプラスして水溶性食物繊維を摂取しましょう!

 

インドやパキスタンなどの乾燥地帯で栽培される、グアー豆からとれる食物繊維「PHGG」のサプリメントです。1包で5.2gの水溶性食物繊維を摂取することができます。800gの大袋もあるので、一家に1袋置いておけば、いつでも摂取可能ですね。

 

「お通じの改善に役立つ」特定保健用食品です。1パックに難消化性デキストリンが4.2g含まれています。シリーズには乳酸菌がプラスされたものなど、バリエーションも豊富!

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