駆け込み飯がダメな理由。食事を最大限生かす消化・吸収の高め方
食べたものでからだはできている、とよく言いますが、管理栄養士の佐藤彩香さんいわく、「からだは食べて、吸収されたものでできている」。つまり効果的に吸収されなければ、いくらいいものを摂り入れてもからだ作りに役立たないんです。今回は佐藤さんが「B&栄養セミナー」でレクチャーした、消化・吸収機能を向上する食事法をまとめました。
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■教えてくれる人
佐藤 彩香(さとう あやか)
管理栄養士
企業や保育園で栄養カウンセリング、献立作成、栄養計算、店舗運営を経験し、その後に独立。健康を土台とした実践型の栄養サポートを行い、プロアスリート~スポーツキッズ、ダイエット希望の方など累計5,000人を超える人々と関わる。現在はパーソナル栄養サポート、セミナー講師、ライター活動、レシピ開発なども行ないながら、「あなたのかかりつけ栄養士」として活動している。
消化に必要な酵素は2種類!熱処理を避けて摂取
からだの中での栄養の流れは「食事→消化→吸収→輸送→代謝→排泄」となっています。このうちどこかに不調が起これば、栄養素を入れても思ったような効果が得られなかったり、不調が出たり…。消化機能の向上には何が必要なのでしょう?
潜在酵素をサポートする食物酵素は積極的に摂取したいものですが、酵素は熱に弱いんだとか。そのため、熱処理されていないサプリメントや、生野菜、フルーツなどで摂取しましょう。
2種類の酵素
・食物酵素:生野菜、フルーツ、発酵食品に含まれる
・潜在酵素:アミラーゼ(炭水化物)、ペプシン(たんぱく質)など
腸内環境を整えるためのアプローチ
吸収の役割を果たすのが腸です。腸は“第二の脳”とも言われる重要な内臓で、さまざまな影響があるとのこと。
腸内には悪玉菌、善玉菌、自分でコントロールできる日和見菌の3種類の菌がいます。この日和見菌を味方につけることで、善玉菌寄りの環境にするのがベスト!
そのためには、発酵食品に含まれる有用菌(プロバイオティクス)と、その菌を育てるプレバイオティクスを摂取すると良いそうです。
菌を増やす食べ物や生活環境
・善玉菌を増やす
プロバイオティクス:発酵食品(ヨーグルト、納豆、ぬか漬けなど)
プレバイオティクス:食物繊維、きのこなど
・悪玉菌を増やす
過剰な糖質・脂肪、睡眠不足、アルコール、加工食品、繊維不足、ストレス、不規則な生活、運動不足、加齢、便秘、医薬品(抗生物質など)
消化・吸収は食べ方も大事。簡単料理テクも
消化・吸収のためには入れ方も大事。佐藤さんは、咀嚼をしっかりすること、リラックスした状態で食べること、消化しやすく料理を工夫することの3つを方法に挙げました。
また、年齢が上がると消化機能も下がっていくそう。大人の方は特に気をつけて。
料理を消化しやすい形にする工夫として、油っぽかったり、繊維が多すぎる料理は避けるのがベター。また、麹(塩麹、醤油麹など)を利用して味付けするといいそうです。
また、食べ合わせも気をつけてみて。たんぱく質を分解する酵素・プロテアーゼを一緒に摂るのも良いと言います。プロテアーゼは以下の野菜や果物に含まれています。
たんぱく質分解酵素・プロテアーゼを含む食べ物
・フルーツ:パイナップル、いちじく、キウイ、プルーン、りんご、パパイア
・野菜:生姜、大根、玉ねぎ、セロリ、ピーマン、パセリ、ニンニク、パプリカなど
なかなか意識しにくい消化・吸収ですが、ゆっくり食べたり、食べる組み合わせを変えたりするだけで効果が期待できます。すぐにでも試せるアイデアばかりなので、ぜひ試してみてください。