サーカー壽梨コラムvol.2 私がミスコンに出場した理由
どんな困難な状況に陥ったとしても、一試合負けたとしても、次の試合は0対0からスタート。大学で女子サッカーを始め、その魅力に引き込まれた私が、ミスコン出場を決めた理由をお話します。
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ミスコンを女子サッカー発信の場に
前回お伝えしたように、私は大学でサッカーに関わる当事者になりました。それまでの見る立場から一点して、プレーヤーとして改めてサッカーにハマったのです。そして3年生の秋、推薦していただいたのがきっかけで、ミスキャンパスコンテストに出場することになりました。
コンテストのお話を聞いてまず感じたのは、楽しそう!やってみたい!という純粋な気持ち。それと同時に、チャンス!と直感しました。「マイノリティなものを発信するために影響力を持っていたい」と常に思っていたため、ミスコンは発信の最高のプラットフォームだと考えたのです。
自分がコンテストを通してできることについて考えたときに、いくつかの想いが浮かび上がってきました。まずは自分のいる組織である、東京大学ア式蹴球部女子『PEAK』)について発信していき、東京大学にも女子サッカー部が存在するということを知ってもらいたい。そして、ア式女子の魅力をできるだけ伝えて、ア式女子がきっかけで東京大学を目指す女の子を少しでも増やしたいといった想いです。
そしてもう一つは、女子サッカーの普及に貢献したい。中でも、「スポーツをやっている女子=女の子であることを捨てる」という考え方を変えたかったんです。
もちろんなでしこジャパンが存在感を示している今、少しずつ変わってきてはいるものの、サッカーをいまだに男の子のスポーツとして捉えている人は多くいます。実際、「女の子なのにサッカーをプレーしているのはすごいね」とか、「スポーツをやっているのに日焼けを気にするんだ」といった発言を耳にすることが多くあります。
サッカーをやっていてもおしゃれには興味があるし、女子であることと両立できることを少しでも見せられたらいいなという想いがありました。
「好き」は強い
自分に何か好きなものがあることは、自分の強さになると感じています。そして、好きなものがあるという大切さを感じています。「正解かもしれないから」「周りがやっているから」「やらないといけないから」ではなく、「自分がやってみたいから」「楽しいから」「好きだから」。
自発的に行動するほうが、モチベーションもエネルギーも高いはず。自発的に行動するほうが、自身の行動に責任を持てるはず。納得がいくはずだと感じています。
女子サッカーに関しては、高校年代の競技者数は増加傾向にありますが、多くの生徒が高校卒業後サッカーから離れてしまうという現状があります。その理由は、プレーする場所がないという環境要因や、勉強やアルバイトとの両立のハードルの高さ、もしくは高校でやり切ったなど、人それぞれだと思います。
サッカーを続けるのか、なぜ自分がそこにいるのか。悩んだときや立ち止まったときに、ただただサッカーが好きだと思えたり、チームが好きなどと思えたら、自分自身の味方になってくれるのではないかと私は感じています。それが今、そこにいる理由なのだと。
「楽しく真剣にサッカーをする」女の子が、少しでも増えたらいいなと思っています。
■プロフィール
サーカー 壽梨(サーカー じゅり)
1998年10月13日生まれ、インドと日本のハーフ。東京大学ア式蹴球部女子(女子サッカー部)に所属し、ミス東大コンテスト2019で特別賞とミスコレ賞を受賞した。スカパー!において、サッカー情報番組「スカサカ!ライブ」のアシスタントや、大学サッカー応援番組「レゾンデートル」のナビゲーターを務めるなど、マルチな才能を発揮している。
Twitter:@misstodai_19_03
東京大学ア式蹴球部女子 Twitter:@utashiki_women