二度の大怪我を乗り越えて。競技を離れて気づく語学の重要性
[PR]本記事は「bわたしの英会話」とのタイアップ記事です。
強い意志を持ち、一見どんなことでも達成できそうに見える吉林千景さんですが、モチベーションが下がってしまったり、勉強が続かなくなってしまったこともあるそうです。
二度の前十字靭帯断裂という大怪我を経験し、今もリハビリを続ける彼女がどのように前向きな気持ちを取り戻せたのか。気持ちが弱くなってしまったときにも、習慣を継続する方法とは。競技を離れて気づく、語学の重要性についても語ってくれました。
集中が切れるのはDNAのせい?進化論に対抗する方法とは
―吉林さんは語学習得のうえで非常に理想的な環境にいたようですが、日本で英語を勉強しようと思ったらそうはいかないですよね。
大山:そうですね。しかも吉林さんは、自分で決めたことをやり抜くことができる強い心の持ち主。でも、誰しもが真似しようと思って真似をできるものではありません。多くの人にとっては、続けることがまず第一のハードルです。
吉林:でも私も日本にいる間はスペイン語を勉強し続けることができませんでした。
大山:それが普通の人です。進化論の話になってしまうんですが、そもそも人間を含めた動物って何か一つのことに集中し続けることができないようになっているんですよね。野生の環境でそんなことをしていたら、敵が近づいてきてもわからないじゃないですか。飛躍した話のようですけど、私たちはDNAレベルで集中が持続しないようになっていると考えたほうがいいです。
吉林:なんだかすごい話ですね。
大山:よっぽど必要性に迫られない限りは、誰しも毎日語学を勉強し続けることは難しい、と私はよく生徒さんに話しています。それがわかっていないと、勉強が続かなくなってきたときに自分を責めてしまって、ますます語学から気持ちが離れてしまうんです。
吉林:続かないのは当たり前だと知ることが大事なんですね。
大山:そう。だけど、まったく何もしない状況が続くともう戻れなくなってしまいます。そうならないために、私はベビーステップメソッドというのを提唱しています。毎日机に向かってきっちり1時間勉強、なんてことはしなくてもいいから、ノートを開くだけでもしましょうと話しています。
または、うちのスクールには会員用のサイトがあるので、そこにログインするだけでもいいんです。語学に少しでも触れている状態を継続していれば、それが習慣化されていきます。
吉林:それだけでいいんですか。
大山:吉林さんの場合は、日本にいる間もスペイン語でメールをしたり、スペインのフットサル動画を見たりしていたのが、ベビーステップになっていたのでしょう。
―自然に習慣化のメソッドを実践していたんですね。吉林さんが英語を勉強し始めたら、すぐに上達しそうです。
吉林:実は英語も話せるようになりたいと思い、3週間カナダに留学していたんですが、日本に帰国したら続かなくなってしまって。
大山:3週間はちょうど学習を習慣化できる境目の期間なんですよ。また、ちょうど“プラトー”と言われる時期だったのかもしれないですね。
吉林:プラトーですか?
大山:いわゆる伸び悩みとも言われますが、実際には上達しているのにその成長が目に見えない期間のことです。うまくなっていることに気づかないので、モチベーションも上がらないんですよね。スポーツの世界でも同じですが、語学も上達が目に見えにくいので、定期的に“ご褒美“がないと続けにくく、そこであきらめてしまう人も多いです。
吉林:言われてみれば、フットサルの動きに慣れてきたのも、サッカーを辞めてから1,2年してようやくだったような。
大山:セレクションにも選ばれていたのに?(笑)
吉林:フットサルわかんないな、と思いながら続けていたら、いつの間にかという感じです。
大山:その間にも大会で優勝したり、MVPを取ったりと、外部からの評価は受けていたと思うので、それが“ご褒美”になっていたのかもしれませんね。
吉林:成長が見えるのはうれしいですね。
大山:きっとスペイン語と同様に、英語もツールとしての必要性が吉林さんのなかで高まれば、すぐに伸びそうですね。
吉林:まだ追い込まれ方が足りないのかも。これまで所属していたチームの中に、ムルシアというスペインの中でも田舎の方のチームがあって、そこは大学時代にいたアリカンテよりも訛りがきついんです。
同じスペイン語なのに全く違う言語みたいでしたね。Sの音を発音しないので、数字の2の「ドス(Dos)」も、「ドッ」って言うんです。でもそのときも覚えるしかないので、必死に周りの会話を聞いて会話に入っていったら、今ではすっかり自分も訛ってしまって恥ずかしいくらい。
大山:目的意識が強いほうが、成長スピードは明らかに上がります。日本にいながらにして、吉林さんほど追い込まれた状況をつくるのは難しいのですが、たとえば第三者にその目標を公言すると言った方法で甘えられない環境をつくるというのはいい方法かもしれません。
世界を舞台に活躍したければ、語学は必須条件
―吉林さんは二度の大けがを経験しています。リハビリの期間をどのように乗り越えているのですか?
吉林:一度目に前十字靭帯を切ったときには、意外とすぐに切り替えられたんですよね。復帰するために頑張ろうと、リハビリにもすぐ前向きに取り組めました。でも、ようやく復帰したその試合でまた同じ怪我をしたときには、結構落ち込みました。
大山:復帰戦で怪我は辛いですね。
吉林:でもまわりを見ると同じ怪我を3回繰り返しても復帰している人もいますし、リハビリ施設に行くと、自分よりももっと大変な怪我をしている人もいる。「私なんかまだまだ軽傷だ」と思えるようになって、また頑張れる気持ちになりました。
大山:自分を客観視できるようになったんですね。
吉林:そうなんです。フットサルを離れることで、今までは気づかなかったことにも気づくようになりましたね。女性のフットサル選手って、あまりSNSを使っている人が少ないんですよ。でもマイナースポーツを世間に広めるには選手が自ら発信しなきゃいけないよなって。
―たしかに、リハビリの様子などもSNSに投稿していますね。
吉林:あとは、もっと長い目で人生を見れるようにもなりましたね。パラレルキャリアやセカンドキャリアにも目を向けて、もっと語学を上達させたいと思うようになりました。
DELEというスペイン語資格試験があるのですが、今私はB1の資格。もう一つ上のレベルを取りたいと思っています。
大山:B1でも、すでにスペイン語圏で働ける資格ですよね。
吉林:そうですね、南米のいくつかの地域では働けるのですが、もう一つ上のB2という資格になるとより選択肢が広がるので、今はそれを目指しています。
―語学は、スポーツ人生にとっても重要ですか?
吉林:スペイン語が分からないときは、プレーにも影響しましたね。チームメイトもやりにくそうにするので、こちらも遠慮してしまうというか。フットサルそのものも、嫌いになってしまいそうでした。でも、プレーで使う単語を覚え始めてから溶け込めるようになりましたし、チームメイトとの会話も大切です。
大山:語学の習得が目的ではなく、競技力向上のツールとして学習できることが早い上達につながったんでしょうね。
吉林:必死でしたからね。プレー以外のシーンでも役立つことも多かったです。フットサル選手は、サッカーや野球のように代理人がついているわけでもないので、移籍の手続きも自分でやることが多いんです。私もスペイン語で手続きをしましたし、海外でプレーしたいなら、特にマイナースポーツの選手ほど、語学の必要性は高いと思います。
あとは情報収集の面でも助けられています。海外のフットサル情報が日本語に訳されていることって少ないので、現地の情報を仕入れやすいです。
大山:得られる情報が多いことはそれだけでアドバンテージですよね。
吉林:なので英語も頑張らないといけないんですよね。フットサルの国際大会も、基本的に英語で運営されることが多いです。取材も英語でされるのですが、もちろん通訳なんてついていない。そんなとき英語がしゃべれなかったら日本人選手がかっこ悪く映ってしまいますし、移籍の時もネックですよね。世界を舞台に活躍したいと考えるなら、英語は必須だと思います。
大山:何かを始めることに遅すぎるということはないですから、いつでも上達できますよ。私の過去のお客様のなかで、最高齢は90歳の方です。95歳まで通い続けて、英語のレベルを一番下の級から、3つ上げられました。どんな方でも、頑張りたいという想いを僕は応援したいですし、そのためのメソッドも持っています。まずは、始めるという一歩を踏み出してほしいですね。
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